臨床精神医学第54巻第1号

ディオゲネス症候群─トランスノソグラフィによるアプローチをふまえて─

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  • 中川 東夫(恵寿総合病院)
  • 発行日:2025年01月28日
  • 〈抄録〉
    ディオゲネス症候群(DS)は,重度のセルフネグレクト,過剰な溜め込み,汚部屋,社会的孤立,洞察力の欠如,援助拒否を特徴とする複合的な行動障害である。DSは, 1970年代半ばにClarkらによって命名されたが,この症候群に関連した明確な行動障害の記載はなく,その定義も不確実なものになった。さらに,診断基準についてもいまだ真のコンセンサスが得られておらず,共通する症候の合意形成を図ることが要請されている。これまでに,DSは独居の高齢者に発生する傾向があり,健常者のみならず,精神疾患や認知症,身体疾患と関連することも明らかになっている。また,精神疾患を伴わない純粋な一次性DSとさまざまな精神疾患や認知症と関連する二次性DSの2群に分類される。このように,DSは健常域と異常域の境界を越えて存在し,臨床的に不均一で複雑な側面を備えていることから,精神疾患を単一の症状や診断カテゴリーに限定せず,異なる病態や症候を包括的に理解するため,トランスノソグラフィによる視点から検討することが有用と考えられる。本稿では,DSの全体像をより明確にするため,トランスノソグラフィによる次元的アプローチをふまえ,その概念的枠組みを多角的な観点から論じた。

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A trans –nosographic dimensional approach to Diogenes syndrome–
中川 東夫
社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院心療内科