臨床精神医学第54巻第1号

眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)

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  • 椎野 智子(神戸親和大学)
  • 発行日:2025年01月28日
  • 〈抄録〉
    眼球運動による脱感作と再処理法(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:EMDR)は,左右水平方向の眼球運動などの両側性刺激を用いて,トラウマ記憶が適応的な記憶となるように情報処理を促す心理療法である。EMDRはさまざまな研究によってトラウマ焦点化療法としての有効性が認められており,国際的なトラウマ治療ガイドラインにおいても推奨される治療法となっている。また,成人のPTSDのみならず,子どものPTSDや複雑性PTSDなど広く適用が可能である。EMDRの実施手順は8段階から構成されており,ただ単純に眼球運動などの両側性刺激を適用するのではなく,この8段階に従って適切な手続きを行うことにより,治療効果が得られるとされている。本稿では,主にEMDRの理論的基盤と作用機序,治療段階と今後の展望について概説する。

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Eye movement desensitization and reprocessing (EMDR)
椎野 智子
神戸親和大学文学部心理学科