肝胆膵第83巻第6号
膵性疼痛に対する経皮的神経ブロック
電子書籍のみ
- 石田 裕介，他（東京医科大学）
- 発行日：2021年12月28日
- 〈要旨〉
膵臓疾患に関連した痛みを膵性疼痛といい，膵性疼痛にはさまざまな痛みの経路が考えられる．主な原因疾患には，慢性膵炎と膵臓癌があり，その対処には一般的にオピオイドなどの鎮痛薬を使用する．しかし，疼痛コントロールが不十分になることが多々あり，多くの臨床医にとって膵性疼痛の緩和は重大な課題となっている．本稿では疼痛管理のうち，経皮的神経ブロックに焦点をあてて述べる．膵性疼痛に対しては主な神経ブロックに，硬膜外ブロックと腹腔神経叢ブロックが考慮される．適切な患者の選択をしたうえで，神経ブロックを上手に活用し，膵性疼痛の緩和を行うことはQOLやADLの向上にもつながる．膵性疼痛の鎮痛は，原疾患の治療と同様に重要なことである．
詳細
Percutaneous nerve block for pancreatic pain
石田 裕介 関根 秀介 栗田 健司 鑓水 知公 都築 有美 崔 英姫 福井 秀公 大瀬戸 清茂 内野 博之
東京医科大学病院麻酔科