臨床精神医学第47巻第11号
情状鑑定の意義
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- 高岡 健(岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター)
- 発行日:2018年11月28日
- 〈抄録〉
情状鑑定とは,訴因事実以外の情状を対象とし,裁判所が刑の量定,すなわち被告人に対する処遇方法を決定するために必要な智識の提供を目的とする鑑定であり,被告人を人間として理解することを意図するものである。とりわけ死刑事件や少年事件においては,情状鑑定は必須といわれる。裁判員裁判において初めて少年に対し死刑が言い渡された石巻事件においては,情状鑑定の結果が考慮されなかった。この事件の最高裁判決に対しては,動機と行為結果のギャップが大きい事件であれば情状鑑定の正当(統)性があるという指摘があり,また精神的成熟度や生育歴が及ぼした影響をふまえた動機・計画性・態様などの犯情および更生可能性を,情状鑑定に基づいて慎重に評価したとは言い難いとの批判がある。
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The significance of psychiatric evaluation in determining mitigation factors
高岡 健
岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター発達精神医学研究所