Bone Joint Nerve通巻第28号第8巻第1号

  • 特集/頚髄症のUp-to-date
  • 発行日:2018年01月01日
  • 〈企画趣旨〉
     超高齢化社会を迎えた日本社会において健康寿命の延伸は喫緊の課題であり,数々の試みが多方面でなされている.運動器疾患の予防と治療は,その頻度の高さから,医療および社会経済的に最もインパクトが大きい課題の一つである.なかでも頚髄症は麻痺の進行に伴い日常生活動作が著しく低下するため,整形外科医が診断や治療を行う際に,注意を要する疾患であることは疑いの余地がない.そこで本特集では,症候学,画像診断,保存療法から手術治療に関して,最近の頚髄症に関するトピックを紹介する.
     まず診断では,基礎となる症候学やmyelopathyhandに関する知見,さらに運動ニューロン疾患や多発性硬化症などの神経内科的疾患との鑑別に関して述べていただき,画像診断としては,頚髄症をきたす多岐にわたる疾患の画像所見を,また,最新の画像診断として拡散テンソル投射路撮影の頚髄症における有用性を報告していただいた.
     次に,頚髄症の治療を考えるうえで,自然経過を知ることは極めて重要である.そこで,MRIを用いた頚髄症の自然経過に関して,および手術治療に関しては,前方固定術,後方除圧術(棘突起縦割式,片開き式,服部式,白石法,内視鏡視下),さらに前方法と後方法の比較に関する最近の知見を記述していただいた.
     最後に,頚髄症に対する患者立脚型評価法であるJOACMEQを紹介し,現在治験が進行中である頚髄症の急性増悪に対するG-CSFの臨床研究に関して報告いただいた.
     この一冊を読んでいただければ,頚髄症に関する現在の最新の知識がほぼ網羅できるように執筆者を選ばせていただきました.日々の臨床の現場で,誰もが治療する機会の多い頚髄症の診断や治療の一助になれば幸いです.

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〈目次〉
1.症候学と診断
頚髄症の症候学 横浜南共済病院 三原 久範
頚髄症におけるMyelopathy handを含む手の症候 大阪大学 海渡 貴司
頚髄症と紛らわしい脳血管障害 名古屋第二赤十字病院 安井 敬三ほか
運動ニューロン疾患─筋萎縮性側索硬化症を中心に 帝京大学 河村 保臣ほか
多発性硬化症と視神経脊髄炎―診断と治療の進歩 東北大学 三須 建郎
2.画像診断
頚髄症の画像診断 富山大学 川口 善治
頚髄症の拡散テンソル投射路撮影 慶應義塾大学 辻 収彦ほか
3.保存療法
頚髄症の自然経過 慶應義塾大学 岡田 英次朗ほか
頚髄症に対する保存療法の実際 はちや整形外科病院 蜂谷 裕道
4.手術療法
前方固定術 九段坂病院 進藤 重雄
棘突起縦割式椎弓形成術 東京大学 大島 寧
片開き式椎弓形成術―開発・改良の歴史と治療成績― 慶應義塾大学 名越 慈人ほか
山口大式頚椎椎弓形成術(服部法) 山口大学 寒竹 司ほか
筋温存型選択的椎弓切除術 国立病院機構村山医療センター 山根 淳一
頚髄症に対する内視鏡下頚椎後方除圧術 和歌山県立医科大学 岩﨑 博ほか
頚髄症に対する前方法,後方法の比較 東京医科歯科大学 吉井 俊貴
5.その他
JOACMEQ を用いた頚部脊髄症の治療成績評価 大阪警察病院 和田 英路
圧迫性頚髄症急性増悪例に対する顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を用いた神経保護療法:臨床研究 筑波大学 國府田 正雄ほか
6.座談会
頚髄症の治療成績の向上と合併症予防のための方策 横浜南共済病院 三原 久範/東京医科歯科大学 吉井 俊貴/慶應義塾大学 名越 慈人/慶應義塾大学 中村 雅也(司会)
コラム
Diversity 東京大学 西野 仁樹