Bone Joint Nerve通巻第10号第3巻第3号
ヨードコーティング人工股関節の臨床応用
電子書籍のみ
- 白井 寿治ほか(金沢大学)
- 発行日:2013年07月01日
- 〈抄録〉
人工関節置換術の術後感染は最も深刻な合併症の一つである.ときに関節機能の廃絶にもつながることがあるため,術後感染を予防することが重要である.現在,腫瘍用人工関節に銀コーティングしたものがヨーロッパで市販されているが,銀の安全性や生体親和性に関して問題視されている.そこで筆者らは,消毒液であるヨードを,インプラントの表面にコーティングする技術を開発してきた.2008年からは,ヨードコーティング人工股関節の臨床試験を行っており,その有用性と安全性が明らかとなった.ヨードコーティング人工股関節は,抗菌性と安全性の点から,最も理想的な抗菌インプラントとして可能性を秘めており,人工関節術後感染の根絶へ向け,大きく貢献することが期待される.
詳細
Antibacterial hip prostheses with iodine coating
白井 寿治*,** 加畑 多文* 西田 英司* 久保 俊一** 土屋 弘行*
*金沢大学 大学院整形外科
**京都府立医科大学 運動器機能再生外科学(整形外科)