Bone Joint Nerve通巻第10号第3巻第3号
THA におけるin vivo摩耗粉分析
電子書籍のみ
- 岩城 啓好(大阪市立大学)
- 発行日:2013年07月01日
- 〈抄録〉
ポリエチレン摩耗粉は,数が多く,大きさはsub-micronサイズで,形状は長細いと生体活性が高くなる.つまり,シミュレータ(重量)やレントゲン計測(線摩耗量)で摩耗が少なくても,摩耗粉のサイズが小さければ摩耗粉の数はむしろ増加し,その結果オステオライシスの発生が増える危険性がある.そこでわれわれは,THA再置換術の際に得られたインプラント周囲組織よりポリエチレン摩耗粉,セメント摩耗粉,金属摩耗粉を分離しin vivoにおける解析を行ってきた.セメントTHRにおいて,メタローシスの症例をのぞいては多くの摩耗粉はポリエチレンと骨セメントでしめられ,約70から80%はsubmicron sizeで95%以上が10μm以下であり貪食されうる大きさであった.そのため各種摩耗粉はオステオライシスの原因にそれぞれなりうると考えられた.Conventional PE比較し,Hylamer は数が極めて多く,100MradポリエチレンとHighly cross-linked PE(HXPE)は少なかった.In vivoでのHXPE摩耗粉のサイズは,in vitroの報告より大きかった.われわれのin vivoにおける摩耗粉分析は,HXPEの臨床使用を支持する結果となった.
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In vivo wear particle analysis for total hip arthroplasty
岩城 啓好
大阪市立大学 整形外科