臨床精神医学第54巻第8号
アルツハイマー病を振り返る─歴史的な背景から現行の神経病理学的な疾患体系の確立に至るまで─
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- 池田 研二(東京都医学総合研究所)
- 発行日:2025年08月28日
- 〈抄録〉
アルツハイマー病を脳の組織変性からみると髄鞘化が遅い上位の連合野ほど強く冒される。そして病変は後部から前部の連合野へと進展するという病変形成過程に法則性がある。アルツハイマー病はアミロイドβ(Aβ)とリン酸化タウの過剰蓄積による複合蛋白質症であり,両者の量的評価基準の組み合わせに従って病理診断が可能である。しかしながらアルツハイマー病はAβとタウの関係,タウの脳内分布や疾患修飾遺伝子のバリアント等により異質性を示すスペクトラム疾患でもある。さらに過半のアルツハイマー脳には複合した加齢性の併存病変がみられる。このためアルツハイマー病を単一の病態プロセスで説明することは困難であり,これらの要因に基づく病理学的多様性により臨床表現や経過のバリエーションを示す疾患である。
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Look back on Alzheimer’s disease: from its historical background to establishment of current neuropathological disease system
池田 研二
東京都医学総合研究所・認知症プロジェクト