臨床精神医学第54巻第8号
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- 特集/アルツハイマー病診療から取り残されていないかい? 精神科医
- 発行日:2025年08月28日
- <企画趣旨>
2023年12月,レカネマブの上市により,アルツハイマー病診療に大きな変化が起きた。単純に治療薬が増えたのではなく,求められる診断水準が変わり,医療連携の変化まで引き起こした。まさにパラダイム・シフトである。さらに,2024年9月にはドナネマブの承認が発表され,最適使用推進ガイドラインOUGが公表されるなど,さらに治療対象が広がろうとしている。しかし,抗アミロイドβ療法にはすべての認知症診療・高齢者診療に関わる医師が等しく関わっているわけではない。2024年11月現在で70%が脳神経内科医が処方を行っているという。では,精神科は無関係なのだろうか。決してそうではなく,様々な場面で関わりうる。本企画では,アルツハイマー病の概念の確認から,総合病院精神科医や精神科病院が果たせる役割まで,新時代1年を経て見えてきたものを特集する。
詳細
<目次>
アルツハイマー病を振り返る─歴史的な背景から現行の神経病理学的な疾患体系の確立に至るまで─ (東京都医学総合研究所)池田 研二
アルツハイマー病の臨床症候の多様性 (近畿大学)橋本 衛
新時代におけるアルツハイマー病の診断法 アミロイドPET (新潟大学)木村 篤史・他
新時代におけるアルツハイマー病の診断法 CSF アミロイド (兵庫県立リハビリテーション西播磨病院)樫林 哲雄・他
抗アミロイドβ療法の作用機序と特徴,有効性,副作用 (東京都健康長寿医療センター)岩田 淳
抗アミロイドβ療法新時代の精神科臨床における予測される変化 (東京農工大学)色本 涼・他
精神科医ができること 大学病院精神科での抗アミロイドβ抗体薬の導入例 (東京慈恵会医科大学)品川 俊一郎
精神科医ができること 地域の認知症疾患医療センターにおける疾患修飾薬 (横浜舞岡病院)千葉 悠平・他
精神科医ができること 精神科のクリニックにおける疾患修飾薬での変化 (メモリーケアクリニック湘南)内門 大丈
精神科医ができること 精神症状発症のアルツハイマー病の考察 (大阪大学)鐘本 英輝
論説
強制入院と守秘義務 新井 貴之
紹介
統合失調症患者の就学支援に関する私の原則 武田 隆綱