肝胆膵第77巻第6号
VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)による肝癌治療の空間認識シミュレーション・ナビゲーション
電子書籍のみ
- 杉本 真樹,他(東京大学先端科学技術研究センター)
- 発行日:2018年12月28日
- 〈要旨〉
肝癌治療における革新的技術として,CT・MRI・USなどのデジタル画像診断を平面モニタから解放し,実空間認識を可能とするXR(VR・AR・MR)による空間認識シミュレーション・ナビゲーションを解説する.XRはすでに市販化されている安価なVRヘッドセットやホログラフィックゴーグル,スマートデバイス,WEBアプリケーションなどの併用によって,肝癌治療に不可欠な空間認識を改善するツールとして多くの施設ですでに広く活用されている.治療シミュレーションやナビゲーション,トレーニングにおいても,患者個別医療や繊細な医療技術の習熟に大きく貢献できる.患者個別の臓器の空間的位置や移動距離,平衡感覚などを同時に体感し,正確な空間認識を心がけ,医療情報と医療環境の共有化につなげるよう期待したい.
詳細
Virtual reality, augmented reality, and mixed reality simulation and navigation for spacial recognition in liver cancer therapy
杉本 真樹*1 若林 剛*2 島田 光生*3 齋藤 裕*3 夏越 祥次*4 前村 公成*4 脊山 泰治*5
*1東京大学先端科学技術研究センター身体情報学分野
*2医療法人社団愛友会上尾中央総合病院外科・消化器外科・内視鏡外科
*3徳島大学大学院医歯薬学研究部消化器・移植外科学
*4鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器乳腺甲状腺外科学
*5がん・感染症センター都立駒込病院肝胆膵外科