臨床精神医学第53巻第12号

日本病跡学会

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  • 小林 聡幸
  • 発行日:2024年12月28日
  • 〈抄録〉
    病跡学(パトグラフィー)は精神医学的な伝記であり,それを通して創造性と病理との関係を探ろうという営みである。日本病跡学会は1966年に産声を上げ,一時期は年2回,現在は年1回の学術総会を催すとともに,1969年より,機関誌『日本病跡学雑誌』を年2回刊行している。会員は精神科医や心理師のみならず,他科の医師やパラメディカル,さらには文学や芸術系の研究者などを含む点で,他の学会にはあまりみられない領域横断性を持っている。一般の臨床ではまず第一に患者の横断的な病像が問題となるが,病跡学では対象人物は生まれてから没するまでを視野に入れねばならないし,病跡学の対象となる傑出した人物の生涯というのはそれだけでも臨床家にとって興味深いものがある。また近年では何がその人の健康を保ったのかという健康生成の側面から思考をめぐらせるサルトグラフィーがトピックとなるなど,方法論的にも発展を続けている。

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Japanese Association of Pathography
小林 聡幸*1,2
*1日本病跡学会 理事長
*2自治医科大学精神医学講座