肝胆膵第73巻第4号

IgG4抗体に病原性はあるのか?

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  • 塩川 雅広,他(京都大学)
  • 発行日:2016年10月28日
  • 〈要旨〉
    IgG4関連疾患は自己免疫疾患と考えられているが,その特徴であるIgG4の機能を含め,病因や病態はほとんど明らかにされていない.近年,B細胞特異的な分子標的薬であるリツキシマブが本疾患に有効であることが報告され,病態形成における自己抗体の関与が注目されている1).しかし,リツキシマブはB細胞以外の細胞にも間接的に効果を及ぼす可能性があり,病原性をもつ自己抗体の存在は依然として不明のままであった.自己免疫疾患の一つである尋常性天疱瘡では,患者由来のIgGを新生児マウスに投与すると病態が再現されたことにより,自己抗体の病原性が示された2).私達は同モデルを模倣し,IgG4関連疾患患者のIgGおよびサブクラス(IgG1,IgG2,IgG4)の病原性について解析を行った3).その結果,IgG4関連疾患患者のIgGを投与したマウスに,患者の罹患臓器(膵・唾液腺)と同一の臓器のみに病変が誘導されることを見いだし,本疾患患者の血中に病原性を有する自己抗体が存在することを世界ではじめて明らかにした.サブクラスの解析では,患者IgG1およびIgG4投与群に同様の病変を認めたが,患者IgG1投与群の方がより強い誘導を示した.興味深いことに,患者IgG1とIgG4を同時に投与すると,IgG1のみ投与した場合より病変の誘導は軽減する傾向にあった.これらの結果から,IgG4関連疾患患者のIgG4は弱い病原性を有する一方,IgG1のもつ強い病原性を抑制している可能性も考えられる.これらの抗体がヒトにおいても同様の病原性を示すのか,また同抗体が認識する抗原が真の自己抗原であるのか,さらなる研究が必要である.

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Pathogenicity of IgG4?
塩川 雅広*1 児玉 裕三*1 千葉 勉*2
*1京都大学大学院医学研究科消化器内科学
*2同 総合生存学館(思修館)教授