肝胆膵第82巻第3号

原発性硬化性胆管炎-小児期からのtransition への対応を含めて-

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  • 中本 伸宏(慶應義塾大学)
  • 発行日:2021年03月28日
  • 〈要旨〉
    原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)は,肝臓内外の胆管に多発性・不連続性の狭窄が発生し,胆汁うっ滞をきたす慢性炎症性疾患である.進行すると徐々に肝線維化が進行し,胆汁うっ滞性肝硬変を経て肝不全に至る.PSCは遺伝因子,免疫学的因子,環境因子など複合的な要因が病態の形成に寄与する多因子疾患と考えられている.本邦における好発年齢は若年層(20~40歳)と高齢層(65~70歳)であり小児期発症例も少なくない.本稿において,PSCの病態,治療について概説し,小児期発症例の特徴,transition への対応についても内科医の立場から言及する.

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Primary sclerosing cholangitis –correspondence to transition from childhood–
中本 伸宏
慶應義塾大学医学部内科(消化器)