肝胆膵第75巻第6号
Vater乳頭部のIPN（いわゆるIAPN）
電子書籍のみ
- 大池 信之，他（昭和大学藤が丘病院）
- 発行日：2017年12月28日
- 〈要旨〉
Vater乳頭部に発生する乳頭状腫瘍のうち，intra-ampullary papillary-tubular neoplasm（IAPN）の病理像および臨床的意義について述べた．IAPNは膵intraductal papillary mucinous neoplasm（IPMN），胆管intraductal papillary neoplasm of bile duct（IPNB）や胆嚢intracholecystic papillary-tubular neoplasm（ICPN）と同様，前癌病変や前浸潤癌病変（多くは腺腫や低異型度腺癌に相当）として位置づけられ，緩徐な発育を示し，通常型の乳頭腺癌や管状腺癌とは区別される．組織学的にはさまざまな異型度や多彩な細胞形質を示す丈の長い異型腺管の乳頭状・管状の増殖からなる．IAPNを念頭に置くことは，多様なVater乳頭部腫瘍の病態を理解する一助になると考えられる．
詳細
Intraductal papillary neoplasm (IPN) so-called “IAPN” of the papilla of Vater
大池 信之＊1 野呂瀬 朋子＊1 磯邊 友秀＊1 今井 秀之＊1 藤政 浩一朗＊1 竹山 信之＊2 宗近 次朗＊3 扇谷 芳光＊3 高野 祐一＊4 山村 詠一＊4 長濱 正亞＊4 藤森 聰＊5 青木 武士＊5 田中 淳一＊5
＊1昭和大学藤が丘病院臨床病理診断科
＊2同 藤が丘病院放射線科
＊3同 医学部放射線医学講座
＊4同 藤が丘病院消化器内科
＊5同 藤が丘病院消化器・一般外科