臨床精神医学第54巻第6号
書籍・雑誌販売のみ
- 特集/精神医学における芸術療法
- 発行日:2025年06月28日
- <企画趣旨>
芸術と精神医学は密接に関連してきたが,その交差点である「芸術療法」の効果やそのメカニズムに関する研究も長い歴史の中で,着実に進歩している。特に,精神疾患の治療において,芸術療法が心理的な回復を促す手段として再評価され,統合失調症,児童,高齢者といった伝統的な応用領域から,うつ病,不安障害,心的外傷後ストレス障害といったストレス関連障害にも効果があることが科学的に示されている。さらに,AIやデジタルアートの登場が,精神医学における新たな治療法としての可能性を開くなど,芸術と精神医学の融合は今後さらに進展することが予測されるため,それぞれの分野の専門家に基本的な考え方を概説していただくことにした。
詳細
<目次>
芸術療法の理論と実践─多職種・多技法・多機能による表現療法─ (いずみ病院)高江洲 義英
コラージュ療法 (日本コラージュ療法学会)森谷 寛之
箱庭療法の概要と治療的仕かけ (島根大学)石原 宏
芸術療法における園芸 (日本園芸療法学会)浅野 房世
音楽療法 (駿河台大学)馬場 存
映画療法 (京都文教大学)平尾 和之
サイコドラマ (大宮西口メンタルクリニック)井上 清子
マンガの精神医学 (杏林大学)今村 弥生
デジタルアートセラピーの可能性─思春期発達デイケアにおける実践から─ (ストレスケア東京上野駅前クリニック)細川 大雅
ダンス・セラピー─その概要と実践─ (龍谷大学)廣瀬 優希・他
俳句・短歌・連句による集団詩歌療法とその終末期医療への展開 (みやざきホスピタル)星野 惠則
子どもの芸術療法 (上智大学)横山 恭子
高齢者ケアにおける芸術療法─認知症高齢者の芸術療法に関する研究の動向と知見─ (城西国際大学)川久保 悦子
アール・ブリュットと芸術療法─その定義の曖昧さと誕生期におけるサン・タルバン病院の役割─ (滋賀県立美術館)保坂 健二朗
アール・ブリュット美術館 (あさかホスピタル)佐久間 啓・他