肝胆膵第86巻第3号
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- 特集/マイクロバイオームが切り拓く肝胆膵の新未来
- 発行日：2023年03月28日
- 〈企画趣旨〉
次世代シークエンサーやバイオインフォマティクスなどゲノム解析技術の進歩は，がんゲノム医療へと臨床応用されただけではなく，メタゲノム解析として腸内細菌を含むマイクロバイオームの新たな研究分野を切り拓いた．その結果，慢性疾患や悪性腫瘍などさまざまな疾患において微生物叢の構成や多様性の変化（dysbiosis）が生じ，病態形成のみならず代謝異常，免疫反応，薬剤感受性などにも関与していることが明らかとなりつつある．さらに，がん免疫療法，セノリティクス（老化細胞除去）など新たな視点からの研究が進み，バイオマーカー，発癌予防，FMT（糞便移植）などの臨床応用も期待されている．本特集では，マイクロバイオームの最新研究を集結し，今後の進展とその課題について展望できれば幸いである．
詳細
〈目次〉
〔巻頭言〕腸内細菌と肝胆膵疾患－病態への関与と制御に向けた試み－ 慶應義塾大学 金井 隆典
Ⅰ．総 論
マイクロバイオームと腸脳相関 東北大学 福土 審
マイクロバイオームとがん 大阪公立大学 神谷 知憲，他
マイクロバイオームと腫瘍免疫 がん研究会有明病院 重松 康之，他
マイクロバイオームとエイジング，セノリティクス 大阪大学微生物病研究所 松本 知訓，他
Ⅱ．各論：肝疾患
マイクロバイオームと慢性肝疾患 金沢大学 飯田 宗穂
マイクロバイオームと肝性脳症 奈良県立医科大学 鍛治 孝祐，他
マイクロバイオームとウイルス性肝炎 名古屋市立大学 井上 貴子，他
非アルコール性脂肪肝疾患と腸内細菌叢 国際医療福祉大学成田病院 結束 貴臣，他
マイクロバイオームと肝細胞癌 国立国際医療研究センター研究所 河村 由紀
肝移植分野における腸内細菌研究の現状 京都大学 姚 思遠，他
Ⅲ．各論：胆道疾患
マイクロバイオームと慢性胆道疾患 慶應義塾大学 中本 伸宏，他
胆汁中細菌叢と膵胆道癌 鹿児島大学 谷本 昭英，他
Ⅳ．各論：膵疾患
マイクロバイオームと膵腸連関 千葉大学 倉島 洋介，他
マイクロバイオームと自己免疫性膵炎 近畿大学 三長 孝輔，他
マイクロバイオームと膵癌診断 東京大学 宮林 弘至
口腔・腸内マイクロバイオームを用いた膵臓癌診断と抗癌剤治療効果 東京医科大学 永田 尚義，他
マイクロバイオームと膵切除後糖尿病 国立国際医療研究センター研究所 坊内 良太郎，他
鼎 談
マイクロバイオームの最新トピックス
（司会）田中 真二（東京医科歯科大学）／永田 尚義（東京医科大学）／寺井 崇二（新潟大学）
シリーズ 第26 回日本肝がん分子標的治療研究会最優秀演題Award
京都大学 西尾 太宏，他