カボザンチニブによる肝細胞癌治療

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  • 総監修:工藤 正俊(近畿大学)
  • 発行日:2022年03月31日
  • 〈企画趣旨〉
    2009年,本邦ではソラフェニブが承認されて以降,分子標的治療薬の開発は世界的に困難を極め,多くの臨床試験が失敗した.しかしながら2017年以降は,レゴラフェニブ(2017年),レンバチニブ(2018年),ラムシルマブ(2019年),アテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法(2020年),カボザンチニブ(2020年)と一次治療薬3レジメン,二次治療薬3レジメンと多くの薬物治療薬が承認となった.今後,薬剤が多くなるにつれて,ますますその薬剤のsequential治療の選択が困難となっていくと思われる.特に,2020年11月にカボザンチニブが承認されさらに薬剤選択の選択肢が増えた.これまでの二次治療薬レゴラフェニブは,「ソラフェニブに忍容性がある」という条件が必須であり,またラムシルマブには「AFP≧400 ng/mL」という制約があったが,今回のカボザンチニブには全くそのような制約がなく,二次治療薬としてだけでなく三次治療薬としての効果も臨床試験の中で示されており,かつ日本におけるBridging phaseⅡではレンバチニブの後治療としての効果も示されている.今回,一次治療薬3レジメン,二次治療薬3レジメンと多くの薬物治療薬が使用できる環境下での肝細胞癌治療におけるカボザンチニブの果たす役割について現時点で整理しなおす目的で本書を企画した.肝癌治療を実践されている多くの臨床の先生方にとって一助となれば幸いである.

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〈目次〉
序 文 近畿大学 工藤 正俊

第1章 特別座談会
Sequential治療時代におけるカボザンチニブの果たす役割
近畿大学 植村 天受/武蔵野赤十字病院 土谷  薫/
国立がん研究センター東病院 池田 公史/京都府立医科大学 森口 理久/
(司会)近畿大学 工藤 正俊

第2章 カボザンチニブの作用機序
カボザンチニブの作用機序 国立がん研究センター中央病院 奥坂 拓志

第3章 カボザンチニブの海外第Ⅱ相試験の概要
カボザンチニブの海外ランダム化第Ⅱ相試験の概要 杏林大学 古瀬 純司

第4章 CELESTIAL試験の総括とさまざまなサブ解析の結果から迫るカボザンチニブの有効性
CELESTIAL試験結果のOverview 国立がん研究センター東病院 井上 佳苗,他
前治療ソラフェニブ投与期間別のカボザンチニブの有効性 京都府立医科大学 森口 理久,他
治療前AFPレベル値別のカボザンチニブの効果 金沢大学 寺島 健志,他
進行肝細胞癌におけるAFP responseとカボザンチニブの有効性との関係 神奈川県立がんセンター 小林 智
カボサンチニブの用量と効果・安全性の関係 広島大学 相方 浩
年齢別のサブ解析からみる高齢者でのカボザンチニブの有効性と安全性 千葉大学 佐久間 崇文,他
肝細胞癌に対する腫瘍量別カボザンチニブの有効性 岩手医科大学 黒田 英克,他
カボサンチニブのcost-benefit 解析 九州医療センター 和田 幸之,他
カボサンチニブの有害事象と有効性 岡山市民病院 能祖 一裕
カボサンチニブ治療によるALBI grade別の治療成績 愛媛県立中央病院 平岡 淳
カボザンチニブのバイオマーカー解析 北海道大学 小川 浩司,他
カボザンチニブのprognostic factor 高松赤十字病院 小川 力,他
健康状態に対するカボザンチニブの影響 久留米大学 鳥村 拓司
TACE 治療歴ごとのカボザンチニブの有用性 広島大学 河岡 友和,他
カボザンチニブの有効性の予測因子 和歌山県立医科大学 井田 良幸,他

第5章 日本におけるBridging phaseⅡの結果の総括
日本におけるBridging phaseⅡの結果の総括 近畿大学 上嶋 一臣

第6章 日常臨床下におけるカボサンチニブの治療成績
当院におけるカボザンチニブの初期使用経験 千葉大学 吉田 亮伊,他
進行肝細胞癌に対するカボザンチニブの当院での初期使用経験4症例 国立がん研究センター東病院 井上 佳苗,他
実臨床でのカボザンチニブを用いる治療ラインとALBIスコアを含む予後因子 国立がん研究センター中央病院 近藤 俊輔
実臨床でのカボザンチニブ治療成績 武藏野赤十字病院 土谷 薫,他
カボザンチニブの初期臨床経験 神奈川県立がんセンター 森本 学,他
当施設における進行肝細胞癌に対するカボザンチニブの初期使用経験 大阪国際がんセンター 中堀 輔,他
近畿大学におけるカボザンチニブの使用経験 近畿大学 青木 智子,他
肝細胞癌に対するカボザンチニブの初期使用経験 大阪市立大学 萩原 淳司,他
当院における切除不能肝細胞癌に対するカボザンチニブ治療経験 広島大学 鳴戸 謙輔,他
肝動注化学療法を用いたLocoregional treatmentによる肝内病変の制御により,複数の分子標的治療薬を導入し得た切除不能進行肝細胞癌の一例 久留米大学 岩本 英希,他
カボザンチニブの使用経験から 飯塚病院 本村 健太,他
ソラフェニブ・レゴラフェニブ・レンバチニブsequential治療failure後にカボザンチニブ治療が有効であった切除不能肝細胞癌の1 症例 愛媛県立中央病院 平岡 淳
実臨床におけるカボザンチニブの初期使用経験 徳島大学 友成 哲

第7章 総括:免疫療法時代におけるカボザンチニブの果たす役割
免疫療法時代におけるカボザンチニブの果たす役割 近畿大学 工藤 正俊