今後の特集のご案内

「肝胆膵」(76巻6号・2018年6月号)
特集/Acute on chronic −慢性病態の急性憎悪−

「肝胆膵」(77巻1号・2018年7月号)
特集/胆汁酸 −臨床への新たな展開−

バックナンバーはこちら



 75巻6号(2017年12月号) 特集/胆管内腔発育型腫瘍の概念と実態
定価(\)本体 3,100+税 送料(\) 150


編集後記

 現在,膵臓では,わが国の第7版の膵癌取扱い規約およびWHO分類消化器腫瘍分類で,膵管内腫瘍の疾患概念が確立している.代表的な疾患としてIPMN, ITPN, PanINがよく知られている.それぞれに特徴的な前浸潤性病変を伴い,また特徴的な遺伝子,分子異常の存在することが知られている.そして,これらの腫瘍は最終的には浸潤性膵管癌(PDAC)へと進展するとされている.
 一方,胆管癌,胆道癌では,胆管・胆道壁内への浸潤癌が主に検討,研究され,診断,そして治療されてきた.しかし,近年,胆管・胆道粘膜に発生し,胆管・胆道内腔で増生する腫瘍の存在が次第に明らかにされてきた.いずれも特徴的な前浸潤期の病変で特定されている腫瘍である.代表的な疾患として,胆管内乳頭状腫瘍(IPNB),胆管上皮内腫瘍(BilIN)がある.また,胆管内管状乳頭状腫瘍(ITPN)も前浸潤性の胆管内腫瘍として,最近報告されている.その他,胆管・胆道内に発生する幽門腺様の腺腫も報告され,胆管内tubular neoplasmも報告されている.これらの胆管・胆道内腫瘍は,最終的には浸潤性の胆管・胆道癌へと進展する.膵管内腫瘍に比べ,遺伝子,分子異常の解析があまり進んでいないが,今後,多くの腫瘍進展のプロセスが解明されると期待される.
 本特集では,膵臓で確立されて以来,臨床応用され,研究対象となっている膵管内腫瘍の概念が胆管,胆道でも応用可能であることを,この方面の専門の方々に述べていただいた.いずれも提案されて歴史の浅い疾患であるが,今後の解析と臨床応用に期待したい.また,胆管・胆道内腫瘍の最新の遺伝子,分子異常を,膵の膵管内腫瘍と対比し,解説していただいた.今後,胆管・胆道内発育型腫瘍の疾患概念が,胆道系腫瘍の診断,治療,そして研究に応用されることを期待したい. (中沼 安二)


 

目次

〔巻頭言〕“胆管内腔発育型腫瘍”を考える 獨協医科大学 窪 田 敬 一…1043
膵管内腫瘍と胆道内腫瘍
 膵癌研究の歴史と現状からみえてくるもの
  −胆道腔内腫瘍 vs 浸潤性胆道癌− 福井県済生会病院 中沼 安二,他…1047
胆管内,胆道内腫瘍(膵管内腫瘍との比較を含めて)
 IPNB:病理の観点から−IPMNとの比較を含めて−
    順天堂大学 福村 由紀,他…1057
 Intraductal papillary neoplasm of the bile duct(IPNB)の臨床像・画像診断
 金沢大学 小森 隆弘,他…1063
 胆道ITPN 千葉大学 大塚 将之,他…1071
 ICPN(Intracholecystic papillary-tubular neoplasms of the gallbladder)
    国立病院機構静岡医療センター 大西 佳文,他…1077
 胆嚢腺腫 仙台オープン病院 野田  裕,他…1089
 Vater乳頭部のIPN(いわゆるIAPN) 昭和大学藤が丘病院 大池 信之,他…1097
 胆管粘液性嚢胞腫瘍(mucinous cystic neoplasm) 神戸大学 全   陽,他…1107
 管状,乳頭状成分比からみた胆管内腫瘍の意義づけ 名古屋大学 下 山 芳 江…1115
 BilIN(Biliary intraepithelial neoplasia)−胆管内上皮内腫瘍−
   福井県済生会病院 須藤 嘉子,他…1123
 胆管周囲付属腺に発生する腫瘍 金沢大学 佐藤 保則,他…1133
 胆管癌の表層進展 手稲渓仁会病院 永井 一正,他…1143
 表層進展型胆道系腫瘍 宮崎大学 濱田 剛臣,他…1151
 胆管内発育を示す特殊な胆道癌 金沢大学 田島 秀浩,他…1159
分子遺伝子異常
 BilIN,IPNBの遺伝子異常,分子異常 金沢大学 佐々木 素 子…1165
 IPMN/IPNBと膵管,胆管付属腺内の前駆細胞およびTFF2の関与
名古屋大学 山口 淳平,他…1173

鼎 談 “胆道内腫瘍vs浸潤性胆道癌:膵癌研究からの疾患理解”…………1181
(司会)中沼安二,山口 浩,中島 淳,糸井隆夫

シリーズ 肝臓の病理形態の理解と診断へのアプローチ(35)
 核内封入体 福井県済生会病院 中 沼 安 二…1023

第74・75巻総目次・総索引…………i〜xvi
 

バックナンバーはこちら