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「肝胆膵」(76巻1号・2018年1月号)
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特集/C型肝炎の新たな壁を越える次世代DAA治療

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 73巻1号(2016年7月号) 特集/変化した重症急性膵炎の診断・治療
定価(\)本体 3,100+税 送料(\) 150


編集後記

 最近の胆膵疾患では超音波内視鏡(EUS)を用いたインターベンションが盛んになってきたことは大きな特徴であるが,その恩恵にあずかった領域の一つが重症急性膵炎のドレナージ治療である.比較的低侵襲なEUS下のドレナージが急速に普及しStep-up approachで推奨されるように第一選択として位置づけられ,以前行われていた外科的開腹ドレナージは激減してきた.ただし,重症急性膵炎はいまだ致死に至ることがある疾患であり,昨今医療訴訟が若干緩和傾向にあるとはいっても,治療に際しては文書によるインフォームドコンセントの取得はもちろんのこと,そこに明記されていない合併症で死に至ると訴訟の危険は格段に高くなることは周知の事実であり,十分な対応が必要であろう.

 また,今まで当然視されてきた動注療法が見直されようとしている.これまでの後ろ向き研究結果では有効性が明らかであるとして専門施設を中心に行われてきた.ところが,大規模疫学データを使った解析では効果が見いだせず,ランダム化比較試験(RCT)が再度計画されている.動注療法では蛋白分解酵素阻害剤と抗生剤が用いられる.今回のRCTは蛋白分解酵素阻害剤の動注効果の評価であるようだが,もう一つの抗生剤については,肝膿瘍,急性胆管炎などではドレナージ付加により投与期間の大幅な短縮が可能になっている.最近の比較的低侵襲な内視鏡的ドレナージの普及により,抗生剤の動注による恩恵以上の生命予後に寄与する効果が現在では得られているのかもしれない.

 重症急性膵炎を含めた急性膵炎ガイドラインについては精力的に改訂が行われているが,ガイドラインと実臨床の乖離については本音で話していただいた座談会をぜひ一読いただければ大変参考になると思う.(多田 稔)



 

目次

〔巻頭言〕急性膵炎診療はいかに変わったか? 近畿大学 竹 山 宜 典……5

重症急性膵炎・診断の変遷

疫学・重症急性膵炎診断基準?海外との比較・ガイドライン変遷の要点? 国際医療福祉大学 公益財団法人化学療法研究会化学療法研究所附属病院 吉田 雅博,他……7

WON(Walled-off necrosis)および周辺病態の概念 自治医科大学 佐 田 尚 宏… 17

造影CTの意義,perfusion CTその特徴と展望 京都府立医科大学 阪上 順一,他… 23

指定難病における膵疾患および重症急性膵炎の公費助成の変化について 五十嵐内科 五十嵐久人,他… 29

壊死性膵炎WON(Walled-off necrosis)の治療Step-up approachとは? 杏林大学 小暮 正晴,他… 35

WONに対する内視鏡的ドレナージ 近畿大学 三長 孝輔,他… 41

内視鏡的ネクロセクトミー追加の適応,コツ,頻度,難易度(合併症) 帝京大学医学部附属溝口病院 土井 晋平,他… 53

壊死性膵炎WONの治療?内視鏡的治療の現状と改善点? 東京医科大学 山本健治郎,他… 59

外科的治療の変化・治療成績 三重大学 飯澤 祐介,他… 69

特殊治療の現況と展望 

経腸栄養の現状,コツ,および追加成分による付加価値は? 産業医科大学 真弓 俊彦,他… 77

重症急性膵炎の膵局所動注療法?現状と展望? 独立行政法人国立病院機構仙台医療センター 武 田 和 憲… 83

大規模疫学データ解析からみた重症急性膵炎に対する動注療法の効果 東京大学 濱田  毅,他… 91  

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