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「肝胆膵」(75巻1号・2017年7月号)
特集/ニュートリゲノミクスから斬る肝胆膵疾患

「肝胆膵」(75巻2号・2017年8月特大号)
特集/肝細胞癌の化学療法が変わる

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 69巻4号(2014年10月号) 特集/小児肝胆膵疾患のトランジション
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 150


編集後記

ある日のカンファレンスで、小児肝移植後20年のフォローアップ生検をディスカッションしたのを覚えている。グラフトの線維化は軽く良好な経過であった。小児科と移植外科の先生方が誇らしそうにディスカッションされていたのが印象的であったが、もう一つ印象に残っているのは、この患者を生涯どのようにフォローしていくのかという点に関して議論されたことである。『今後、どのようにフォローするか?』、『患者は経済的に自立していのか?』、『親のサポートはまだ頼れるのか?』、『結婚は?』など、必ずしも医学的でないことに議論が集中した。小児肝胆膵疾患の治療成績がよくなり、より多くの患児が成人することを考えると、このような議論はより盛んになると思われる。しかし、このトランジッションにまつわ�
�課題を考えれば考えるほど、問題の根が深いことを痛感する。診療科を超えた枠組み、コメディカルとの連携、社会の受け入れ態勢、患者の精神的な成長など複数の因子が複雑に関連している。この問題は肝胆膵領域に限らず医療全般にいえることであり、今後想定される問題について我々はあらかじめ準備しておく必要があるだろう。

『肝胆膵疾患を患った10歳代の患者は誰が診るべきなのか?』この質問に対する正解はない。消化器内科医が担当している病院もあれば、小児科医が診ている病院もある。重要なことは、小児肝胆膵疾患は頻度が低いものの難治性疾患も多く、迅速に診断し適切な治療を受けられる体制を構築することである。肝胆膵を専門にした小児科医が多くないことを考えると、消化器内科医や外科医のサポートは少なからず必要だろう。本特集号の前半は小児肝胆膵疾患の臨床で活躍されている先生方に執筆いただいた。このような『ニッチ』な領域に少しでも多くの先生方に興味を持っていただけることを期待して編集後記としたい。(全陽)


 

目次

〔巻頭言〕小児肝胆膵疾患のトランジション

 ………………………………………………………… 聖路加国際大学 松 井   陽…461

小児の特徴と検査の注意点

 小児の免疫学的特徴…………………………………………金沢大学 清水 正樹,他…463

 小児肝胆膵疾患の画像診断:検査のポイントと注意点…信州大学 藤永 康成,他…469

小児の肝疾患:成人例と何が違うのか

 小児の原発性硬化性胆管炎:特徴と鑑別疾患

  ……………………………………………… 済生会横浜市東部病院 岩澤堅太郎,他…479

 小児硬化性胆管炎の病理学的特徴:原発性と2 次性を含めて

  ………………………………………………………………神戸大学 全     陽…485

 小児自己免疫性肝炎の特徴と病態………… 済生会横浜市東部病院 角田 知之,他…493

 小児のウイルス肝炎………………… 東邦大学医療センター佐倉病院 小松 陽樹,他…501

 小児のNAFLD ………………………………… 宮城県立こども病院 虻 川 大 樹…511

小児肝疾患の外科的治療

 葛西手術………………………………………………………東北大学 仁尾 正記,他…519

 肝移植……………………………………………………… 九州大学 松浦 俊治,他…527

小児の胆膵疾患

 小児期自己免疫性膵炎の特徴…………………… 市立枚方市民病院 村田 真野,他…533

 若年性膵炎と遺伝性膵炎…………………………………… 東北大学 粂   潔,他…541

 低γ-GT を示す胆汁うっ滞症の疾患スペクトラム

  …………………………………………… 国立成育医療研究センター  工 藤 豊一郎…547

小児から成人への移行期(Transition)の医療サポート

 移行期の医療をいかに円滑に進めるか?…………… 関西医科大学 石 崎 優 子…553

 肝移植を受けた小児患者の長期フォローアップ体制:現状と問題点

  ………………………………………………………………熊本大学 阪本 靖介,他…559

 成人移行医療の看護サイドからのサポート………………岐阜大学 田中 千代,他…567



座談会“小児肝胆膵疾患のトランジション” ……………………………………… 577

シリーズ 肝臓の病理形態の理解と診断へのアプローチ

 インターフェイス肝炎………………………… 静岡県立静岡がんセンター 中沼 安二…592  

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