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「肝胆膵」(75巻4号・2017年10月号)
膵癌研究Cutting Edge−From Carcinogenesis to Metastatic Colonization−

「肝胆膵」(75巻5号・2017年11月号)
特集/臓器間ネットワークからみた肝胆膵の恒常性とその破綻

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 69巻3号(2014年9月号) 特集/NAFLD/NASH:肝発癌に至る病態と対策
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 150


編集後記

肝臓病学は大きな転換期にある。これまで国内外の肝臓学会は肝癌、肝硬変の主要な原因であるウイルス性B型、C型ウイルス肝炎の臨床、基礎の菱面からの研究に多くのエネルギーを注いできたが、基礎研究の進歩、新規抗ウイルス薬の開発などによりB型、C型ウイルス肝炎は克服、収束の方向性が見えている。一方でこの間、日本における食習慣の欧米化、肥満、メタボリック症候群などの生活習慣病の増加とともに、脂肪肝が急増しており、最新の調査によれば脂肪肝の疾患頻度はすでに日本人の40%に達しているという。それとともに肝癌の成因としてのNASH/NAFLDの割合、患者の絶対数ともに着実に増加している。ちょうど今年から日本肝臓学会と糖尿病学会の共同参画による「糖尿病と代謝研究会」が創設され、両方の側面からの基礎�
�臨床研究が活性化しつつある。

 今回の特集では、以上の背景を踏まえ、糖尿病、メタボリック症候群を背景とするNASH/NAFLDに対して我々がHepatologistとして取り組まなければいけないテーマ、肝発癌の問題を取り上げた。この領域は当然ながら糖尿病・代謝内科領域との関わり合いが必須であり、両専門領域での知見・認識の摺り合わせなどを始め多くの課題がある。本書では肝臓病学のみならず糖尿病学の専門家からも最近の知見、問題点、今後の展望などをわかりやく解説していただいた。本書がNASH/NAFLDについての現状および将来展望を把握するための解説書として広く利用され、診療・研究の参考になれば幸いである。

(坂本直哉)


 

目次

〔巻頭言〕NAFLD/NASHを母地とする肝発癌 (済生会吹田病院)岡上  武

        

1. NAFLD/NASHの疫学・病理

1) 本邦におけるNAFLDの特徴 (鹿児島大・消内) 宇都 浩文

2) NAFLD/NASHの病理診断:活動度・病期分類 (金沢大・病理) 中沼 安二



2. NASHの発症因子

1) NAFLD発症と遺伝子多型:PNPLA3, epigenomics etc. (京都大・消内) 丸澤 宏之

2) 糖尿病発症に関連する遺伝子多型 (弘前大・内分泌内) 大門  眞

3) 糖尿病と肝遺伝子発現 (金沢大・消内) 本多 政夫

4) NASHとC型肝炎 (東大・感染症内) 堤  武也

5) NASH/NAFLDと鉄代謝 (旭川医大・肝疾患相談支援室) 大竹 孝明

6) 化学療法に関連したNASH (高知大・消内) 西原 利治



3. 肝発癌

1) 糖尿病と肝発癌:代謝の視点から (東京大・糖尿病代謝内) 植木 浩二郎

2) 糖尿病と肝発癌:肝臓の視点から (東京女子医大・消内) 徳重 克年

3) 腸内細菌と肥満・肝発癌 (がん研・がん生物部) 吉本  真

4. 診断

1) 非侵襲的スコアリングを用いたNAFLD診断 (武蔵野赤十字病院・消化器科) 黒崎 雅之

2)糖鎖マーカーを利用したNASH診断の試み (国立国際医療C・国府台病院) 是永 匡紹

3)可溶型CK-18とNASH診断 (奈良医大・第3内科) 吉治 仁志

4)血清コリン値測定を用いたNASH診断 (横浜市大・消内) 中島  淳

5)NASHの画像診断 (兵庫医大・超音波C) 飯島 尋子

6) Transient Elastography (慶應大・消内) 海老沼 浩利



5. 治療

1) 栄養,運動療法 (佐賀医大・肝臓糖尿病内分泌) 水田 敏彦

2)薬物療法;ビタミンE,チアゾリジン (京都府立大・消内) 角田 圭雄

3) インスリン抵抗性改善剤 (高知大・肝胆膵内) 小野 正文

4) angiotensin受容体拮抗薬によるNASH治療 (横浜市立大・消内) 米田 正人

5) FXRアゴニストによるNASH治療 (武蔵野赤十字病院・消化器科) 泉  並木

6) NASHと肝移植 (京都大・肝胆膵移植外) 上本 伸二



[座談会]

米田 政志(愛知医大・消内)

橋本 悦子(東京女子医大・消内)

竹井 謙之(三重大・消内)

坂本 直哉(北海道大・消内)/ 司会
 

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