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「肝胆膵」(76巻1号・2018年1月号)
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 69巻2号(2014年8月号) 特集/肝胆膵領域の光学医療;一見に如かず
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 150


編集後記

今月の特集は肝胆膵領域の光学医療である。カラーの写真が多く、目に入ってくるイメージの圧倒的な説得力をお楽しみいただければと思う。とりわけ普段腹腔鏡検査の画を見ることが少ない先生方にとって、まさに百聞は一見に如かずとなれば本号の目的のかなりの部分は達成されたと考えても良い。それにしても、やはり肝臓の腹腔鏡検査は難しい立場にある。これは、「この検査は通常の診療では不要である」という、臨床の場の率直な意見なのかとさえ思う。実際、生化学、ウイルス学的検査、免疫学的検査の組み合わせと高精度の画像診断装置により、通常遭遇する肝胆膵疾患の多くは腹腔鏡検査なしで診断できているのかもしれない。ただし、自己免疫性疾患などはその診断をマクロ・ミクロの病理なしに正確に行うのが困難�
��症例が一定の頻度で存在するという点は臨床医であればコンセンサスを得ているはずである。それにもかかわらず、検査が行われないのは、やはり検査の侵襲性と煩雑さを超える診断上のベネフィットとの差が無視できる程度に過ぎないと捉えられているからであろう。確かに、目で直接見て診断するというストレートでわかりやすい成功体験はあるものの、そこに行き着くまでのプロセスの敷居は決して低くない。いくら大切な検査であると主張しても現場がそれを必要としないと感じ、そしてそれが日常となってしまえば、臨床からは消えていくことになるだろう。そのためにも、この領域も進歩が必要であるし、もっとその必要性を積極的にアピールしなくてはならない。今かすかに残っている腹腔鏡検査が復活するポテンシャルが
あるとすれば、本特集がそのきっかけになればと切に思う。そして今消化器領域で最も元気のある分野である胆膵領域の光学診療も本号で取り上げた。その勢いの源泉がどこにあるかも感じ取って頂き、今後の肝胆膵領域の光学医療のあり方について考える一助になれば幸いである。(上野義之)


 

目次

〔巻頭言〕............................................................................. (湘南東部総合病院)市田 隆文

1.肝臓領域の腹腔鏡検査
1)低侵襲腹腔鏡検査のスタンダード(手技を含めて)
......................................................................... (武蔵野赤十字病院・消内)泉  並木
2)代表的な肝疾患腹腔鏡アトラス(後世に残る図譜として)
......................................................................................... (岡山大・消内)山本 和秀
3)腹腔鏡からみた肝疾患の病態把握(なぜ腹腔鏡検査は必要か?)
............................................................................... (虎の門病院・肝臓C)荒瀬 康司
2.腹腔鏡下の内科的肝癌治療.................................... (武蔵野赤十字病院・消内)黒崎 雅之
3.NBIを用いた腹腔鏡検査................................................. (安佐市民病院・消内)辻  恵二
4.高精度MRIを用いたバーチャル腹腔鏡............................ (虎の門病院・肝臓C)齋藤  聡
5.胆嚢の内科的内視鏡診断と治療.................................. (藤田保健衛生大・消内)乾  和郎
6.胆道の内科的内視鏡診断と治療(乳頭を含めて)
................................................................................................... (千葉大・消内)露口 利夫
7.膵臓の内視鏡検査のスタンダード.......................................... (東京医大・消内)糸井 隆夫
8.膵臓の内視鏡検査のバリアント(副乳頭アプローチ)
................................................................................................... (山形大・消内)牧野 直彦
9.膵臓の内視鏡的治療.................................................. (福島医大会津C・消内)入澤 篤志
10.腹膜疾患における腹腔鏡の意義........................................... (魚沼病院・内科)高橋  達
11.腹腔鏡検査が有用な全身性疾患......................................... (自治医大・消内)礒田 憲夫
12.病理医がマクロ病理に期待するもの........................................ (金沢大・病理)中沼 安二

〔座談会〕
橋本 悦子(東京女子医大・消内)
阿部 雅則(愛媛大・消内)
良沢 昭銘(埼玉医大国際医療C・消化器内視鏡科)
上野 義之(山形大・消内)/ 司会  

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