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 第66巻5号(2013年5月号) 特集/GEPNET の最前線
定価(\)本体 2,900+税 送料(\) 150


編集後記

 神経内分泌腫瘍の疾病概念については本特集号で詳しく述べられているがWHO 分類がまずは2000 年になされたことで広く臨床医および基礎医学者に共通の認識がなされ,その元で討議が熟成しつつあるといえる状況になってきた.その10 年後の2010 年に新分類が出されたことで新たな論議がまた始まってきたところである.このように神経内分泌腫瘍という比較的に稀な疾病においてはそれまで研究者が独自にその主張の元,さまざまな疾病名を提唱してきたわけある.しかし神経内分泌腫瘍以外の疾患においてもしばしばこのようなことが医学領域では起こっている.疾病概念をまとめあげることは大変重要なことであり,また,いかに困難なことであることはいうまでもない.多くの症例報告から始まることで新たな疾病が報告されるわけであるが,その後の研究者らによる包括的な疾病概念の統一という作業がなされる.その時は主たる研究者らが集い討議のうえいわゆるコンセンサス会議においてその疾患概念が煮詰まっていくものである.そのようにして決まっていくのが新たな疾病概念であり,疾病の定義・診断基準であったり疾病分類である.そのようなわけで疾病分類は最初必ずしも完全なものではないことが多いがその同じ土俵の元,すなわち研究者達が同じスケールを用いることで各研究者らのデータが普遍化されてくることで客観的データとして討議が可能となり,さらなる研究の進歩が促進される.そして研究の進歩により再度分類なり疾病の診断基準・定義が改定されて行くことになるわけである.したがっていったん国際的な分類なり診断基準,定義が提唱されたならばその問題点は十分に認識しつつもその共通の土俵において多くの研究者らがデータ発信をして行くことが学問の進歩には重要なことである.その意味では新たな疾病分類や診断基準および疾病の取り扱い規約(癌などの)などの意義は極めて大きなものであるといえる.今回のGEPNET 最前線とした本特集号もGEPNET という疾患概念のこれまでの確立の課程や現状においての問題点,さらには今後の研究課題が良く俯瞰できる特集内容であると思われる.     (宮崎  勝)


 

目次

〔巻頭言〕GEPNET の最前線 …………………………………千葉大学 宮 崎   勝…739
総 論
 膵・消化管NET 診療の現状とガイドライン ……… 関西電力病院 今 村 正 之…741
疫 学
 消化器・膵内分泌腫瘍の疫学データ………………………九州大学 伊藤 鉄英,他…747
 WHO 分類よりみたGEPNET の病理組織診断 ……… 順天堂大学 福村 由紀,他…755
基礎研究
 膵臓神経内分泌腫瘍(PNET)の遺伝子変異 ……………東北大学 笹野 公伸,他…765
 神経内分泌腫瘍のシグナル解析よりみた分類……………千葉大学 志田  崇,他…771
診 断
 消化管・膵神経内分泌腫瘍の臨床診断− PET −
  …………………………………………………… 四国がんセンター 細川 浩平,他…777
 消化器・膵神経内分泌腫瘍の肝転移診断−画像imaging −
  ………………………………………………………… 慶應義塾大学 伊東 良晃,他…787
 P-NET の画像診断(EUS,EUS-FNA を中心に)
  ……………………………………………………… 手稲渓仁会病院 金  俊文,他…795
治 療
 外科治療
  膵神経内分泌腫瘍の外科治療……………………………九州大学 大塚 隆生,他…803
 肝転移した神経内分泌腫瘍の治療戦略−外科切除−
   ……………………………………………………………京都大学 増井 俊彦,他…811
  肝転移した神経内分泌腫瘍の治療戦略−肝移植−……京都大学 上 本 伸 二…821
 内科的治療
  抗VEGF 抗体による神経内分泌腫瘍治療 ……… 東京医科大学 粕谷 和彦,他…827
  遠隔転移を有する神経内分泌腫瘍の治療戦略−化学療法および分子標的治療−
   …………………………………… 国立がん研究センター中央病院 森実 千種,他…837
座談会“GEPNET の最前線”
………………………………845
症例報告
 閉塞性黄疸を契機に診断された粘液産生性胆嚢癌の1 例
   ……………………………………………………………… 会津中央病院 宮田 英樹,他…859
 

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