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 第63巻2号(2011年8月号) 特集/膵神経内分泌腫瘍−Up date 2011
定価(\)本体 2,800+税 送料(\) 150


編集後記

 本誌の編集委員の最大の役割は良い特集を企画することである.アイデアが浮かばないことは自分の勉強不足,想像力の欠如を意味し,情けないものである.さて,今回は膵をテーマに取りあげようと思案した.膵管癌,嚢胞性膵腫瘍,膵炎などがすぐに頭をよぎる.これ以外になにか話題がないかと思いをめぐらしたときに今回の特集が浮かんだ.最近,教室で神経内分泌腫瘍の患者さんの診療機会が増加し,体系だったより深い,そして最新の知識を得る必要に迫られたのが大きな理由である.調べてみると2010年にWHO分類が改訂されたこと,そして私のかつての上司であり,今回,巻頭言を執筆していただいた今村正之先生(京都大学名誉教授)が中心になりガイドライン作成にとりかかっていることを思いだした.また新規の分子標的薬の開発をはじめとしてあらたな診断法,治療法などが臨床現場に導入されようとしていること,そしてNET WORK JAPANという全国的な組織が2004年に立ちあげられ,活発に研究会が開催されている現状を追い風としてこのテーマで編集委員の責務を果たすことに決めた.項立て,執筆者は京大時代の本領域を専門とする後輩と相談しつつ編集委員会でさらにブラッシュアップしていただいた.膵の神経内分泌腫瘍に絞ったが,それでも多くの疾患が存在し,その病態の共通点と相違点を十分に認識して診療にあたる必要があることをあらためて知った.

 さて,本疾患であるが,私の知識からは意外であったが,すぐれた画像診断の普及も大いに関与しているのであろうが,わが国の方が欧米よりも発生率が高いことを知った.さらに,新規の診断法,治療法が開発されているにもかかわらず,わが国ではDrug lagが本疾患の診療に影をなげかけている現状もみえた.特集を組ませていただいて,本疾患が,今後一層,重要な分野になっていく予感を感じた.本特集が読者姉兄の研究,診療に多少なりとも貢献するものであることを祈念する次第である.    (有井 滋樹)


 

目次

〔巻頭言〕膵神経内分泌腫瘍−Up date 2011

京都大学名誉教授 今 村 正 之…193

総論

 日本における膵内分泌腫瘍の疫学

九州大学 伊 藤 鉄 英…197

 膵神経内分泌腫瘍におけるWHO分類とTNM病期分類

   昭和大学 大池 信之,他…205

 膵腫瘍における神経内分泌腫瘍の位置付け

自治医科大学 福 嶋 敬 宜…213

 病理診断:歴史的変遷と最近の考え方

国際医療福祉大学 長 村 義 之…219

 膵内分泌腫瘍の悪性度診断

東海大学 梶原  博,他…225

各論

 機能性腫瘍の臨床・画像診断

  インスリノーマの臨床診断

札幌医科大学 木村 康利,他…233

  インスリノーマの画像診断

山形大学 木村  理,他…241

  ガストリノーマの臨床診断

東北大学 坂田 直昭,他…249

  ガストリノーマの画像診断

九州大学 井手野 昇,他…255

  グルカゴノーマの診断

東北大学 柴田  近,他…263

  その他の機能性腫瘍(VIPoma-WDHA症候群,ソマトスタチノーマ,

   GRH産生膵腫瘍,ACTH産生膵腫瘍),およびPP産生腫瘍,Pancreastatinoma

東京大学 野 順子,他…267

 非機能性腫瘍の診断・治療

九州大学 堤  宏介,他…277

 MEN1型の診断と治療

信州大学 櫻 井 晃 洋…285

 膵神経内分泌腫瘍の生検診断

愛知県がんセンター中央病院 長谷川俊之,他…293

 治療

  膵NETに対する外科治療

関西電力病院 河本  泉,他…301

  P-NETの内科治療と効果判定

東京医科歯科大学 泉山  肇,他…311

  神経内分泌腫瘍の肝転移に対する治療

東京医科歯科大学 工藤  篤,他…317

  膵神経内分泌腫瘍における新規治療の展望

    国立がん研究センター中央病院 奥 坂 拓 志…327



座談会“膵神経内分泌腫瘍Update 2011”

有井滋樹/土井隆一郎/笹野公伸/島津  章………………………………333  

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