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 第61巻4号(2010年10月号) 特集/エキスパートに学ぶIVRのテクニック,適応, 合併症
定価(\)本体 2,800+税 送料(\) 150


編集後記

 性差医学の研究はいろいろな分野で行われているが,その内容は最終的には女性ホルモンによる病態修飾,治療修飾などに結論が導かれている.

 生まれつき異なる男と女が同じ肝炎ウイルスに感染しても,感染後の経過が異なり,例えば肝細胞癌は圧倒的に男性に多い.このような事実を研修医に「なぜ」と問われて,明確に解説できる肝臓専門医は何名いるだろうか.肝胆膵分野で多くの疑問があった.なぜ,原発性胆汁性肝硬変や自己免疫性肝炎は女性に多いのか.肝硬変から肝細胞癌が出現する頻度は極めて高いのに,なぜ肝細胞癌は男性に多いのか.女性ホルモンが発がんを抑制するとするならば,男性は肝硬変になると不活性化機序の低下で女性ホルモンが優位となり,女性化するではないか.それなのに「なぜ,男に肝細胞癌が多いのか」.なぜ女性の場合,同じ量のアルコールを摂取しても,男性に比して短期間で肝硬変に移行するのか.肝移植ではなぜ女性のレシピエントの生存率が高いのか? そして,究極の質問は「なぜ,女性の方が長生きするのか?」である.この答は「なぜ,女性の方がこんなに強いのか?」に当てはまる基本的な疑問でもある.

 今回の特集は,肝胆膵分野での性差の実態とその病態をいかに考えるかがテーマで,その道に詳しい先生方に教えを請い,適切なテーマと執筆者名を推薦いただき,当方がアレンジしたわけである.各論はもちろん,巻頭言から座談会まで,なかなか読みごたえのある特集が組めたと自負している.しかしながら,まだまだ単純に女性ホルモンの作用だけでこれだけの性差別変化は簡単に説明がつかないものと思われる.性差医療をもう少し違った角度から,それこそ「せいさ(精査)」しなければならないと思われた.

 すなわち,酒,たばこなどの生活習慣が男女で異なるというが,現代社会ではほぼ同じように若い,いやいやおばちゃん連中は男顔負けで吸って飲んでいるではないか.女性は閉経後,ホルモンバランスから男と同じになるのではないか.それなのになぜ病態,治療効果が異なるのだろうか.

 座談会での二人の女性ご自身の赤裸々な体験も含めて,改めて性差医療の複雑さが身にしみて分かった次第である.           (市田隆文)


 

目次

〔巻頭言〕エキスパートに学ぶIVRのテクニック, 適応, 合併症

       金沢大学 松 井   修…513

肝臓

 肝動脈塞栓術・留置カテーテルのポート埋め込み

   財団法人佐々木研究所付属杏雲堂病院 小尾俊太郎,他…515

 門脈枝塞栓術 東京大学 脊山 泰治,他…523

 肝静脈狭窄に対するステント

   神戸市立医療センター中央市民病院 伊 藤   亨…535

門脈圧亢進症

 TIPS 日本医科大学 楢原 義之,他…543

 B-RTO 大分大学 清末 一路,他…553

 EIS / EVL 福島県立医科大学 小 原 勝 敏…569

 部分脾動脈塞栓術 日本医科大学 谷合 信彦,他…579

 デンバー腹腔─静脈シャント術

   地方独立行政法人大牟田市立病院 奥 雄一郎,他…585

胆管・十二指腸乳頭部

 胆道ドレナージ 名古屋大学 伊神  剛,他…595

 EST(endoscopic sphincterotomy)

   大垣市民病院 金森  明,他…603

 EPBD(endoscopic papillary balloon dilation) /

    EPLBD(endoscopic papillary large balloon dilation)

      日本赤十字社医療センター 辻野  武,他…613

 胆道ステント 東京大学 M田  毅,他…625

 EP(endoscopic papillectomy) 名古屋大学 伊藤 彰浩,他…631

 超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ

  (超音波内視鏡を用いた胆道ドレナージ)

    愛知県がんセンター中央病院 佐伯  哲,他…639

膵臓

 膵管ステント

  動脈瘤破裂に対する経血管的塞栓術

    熊本大学 中曽根 豊,他…645

  十二指腸狭窄に対するステント

    国立がん研究センター中央病院 祖父江慶太郎,他…653

  門脈狭窄に対するステント留置手技

    徳島赤十字病院 池 山 鎮 夫…663

 内視鏡的膵嚢胞ドレナージ術

    福島県立医科大学 高木 忠之,他…673



座談会“エキスパートに学ぶIVRのテクニック, 適応, 合併症”

有井滋樹/中村健治/森安史典/伊佐山浩通……………683  

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