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「肝胆膵」(75巻4号・2017年10月号)
膵癌研究Cutting Edge−From Carcinogenesis to Metastatic Colonization−

「肝胆膵」(75巻5号・2017年11月号)
特集/臓器間ネットワークからみた肝胆膵の恒常性とその破綻

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 第61巻3号(2010年9月号) 特集/膵嚢胞性疾患の新展開
定価(\)本体 2,800+税 送料(\) 150


編集後記

日本が世界に対し新しく疾患概念を提唱し,その後の臨床研究をリードしてきた疾患として膵臓の分野では自己免疫性膵炎と膵管内腫瘍があげられる.最近これらの疾患の認識の世界的な拡がりとともに種々の病態が同一疾患名で報告され,診断,手術適応など臨床的な事項について議論が発生している.そこで国際的なコンセンサスを作り上げようとして日本の研究者が大変な努力をされている.とくに膵のう胞性腫瘍の膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)については九州大の田中教授が国際診療ガイドラインを2004年仙台の国際膵臓学会を契機にまとめられ,2006年公表され,その後も検討がつづいている.

 さらに膵疾患の画像診断,内視鏡診断について高いレベルを現場医療で行ってきた日本において田中教授が日本膵臓学会理事長として,膵のう胞性疾患について4つのワーキンググループを作られたが,その成果がまとまる時期を迎えている.本特集でも随所にその検討成果が言及されている.

 一方WHOの病理組織分類においても日本の研究者が3名加わっている膵管内腫瘍について新しい案がまもなく公表される.IPMNに対し悪性度,typeやinvasionを分類するものと聞いている.日本の研究の蓄積が基になっていることを期待したい.

 本誌としては前回からわずか2年で取り上げた膵のう胞性疾患というテーマであるが,基礎的な研究,serous cystic neoplasms, mucous cystic neoplasms,さらにはIPMNを巡る諸問題に関してこの間の進歩,展開が明らかであることをお読みとり頂ければ幸いである.           (小泉  勝)


 

目次

〔巻頭言〕膵嚢胞性腫瘍の新展開 九州大学 田 中 雅 夫…321

嚢胞性膵腫瘍の基礎

 膵嚢胞性腫瘍とシグナル伝達系異常の関連 東京女子医科大学 古 川   徹…327

 分子生物マーカー:biomarker 九州大学 大内田研宙,他…335

 IPMNの組織亜型と分化発育 鹿児島大学 米澤  傑,他…343

 PanIN:最近の理解とpancreatic duct glandを巡る

  研究の新展開 京都大学 高折 恭一,他…359

Serous cystic neoplasm

 診断 (分類) と治療:外科手術の適応は 山形大学 渡邊 利広,他…367

Mucous cystic neoplasm

 Mucinous cystic neoplasmの定義:ovarian-type stromaとは

   自治医科大学附属病院 福 嶋 敬 宜…383

 診断と予後 愛知県がんセンター中央病院 小林 佑次,他…391

IPMN

 定義と診断 癌研究会癌研究所 鹿取 正道,他…397

 画像診断T

  画像診断 (ERCP, MDCT, MRI, FDG-PET)

    千葉県がんセンター 中村 奈海,他…407

 画像診断II

  IPMN診断におけるEUSおよびEUS-FNAの役割

    東京医科大学 糸井 隆夫,他…417

 分枝型IPMNの経過観察と手術適応

  内科例からみて 手稲渓仁会病院 小山内 学,他…427

  手術例からみて 東京女子医科大学 羽鳥  隆,他…437

 IPMN由来浸潤癌と併存膵癌 仙台市医療センター 小林  剛,他…445

 IPMN術後残膵の病変(切除例,サベイランスを含め)

   札幌医科大学 木村 康利,他…459

 IPMN,膵嚢胞のnatural course 東京大学 多田  稔,他…469

 IPMN/MCN国際診療ガイドラインの有用性と問題点

   イムス琴似ロイヤル病院 丹野 誠志,他…475



 座談会“膵嚢胞性疾患の新展開”

 小泉 勝/藤田直孝/山口幸二/柳澤昭夫…483



症例報告

肝外転移を伴う再発性肝細胞癌に対しSorafenibが著効した1症例

   山口大学 原田栄二郎,他…501  

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