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「肝胆膵」(75巻4号・2017年10月号)
膵癌研究Cutting Edge−From Carcinogenesis to Metastatic Colonization−

「肝胆膵」(75巻5号・2017年11月号)
特集/臓器間ネットワークからみた肝胆膵の恒常性とその破綻

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 第58巻6号(2009年6月号) 特集/胆管上皮内腫瘍に関する話題
定価(\)本体 2,800+税 送料(\) 150


編集後記

 医療技術の進歩により上皮内腫瘍をターゲットとした診断や治療法の開発が模索されている.一方,がん研究の分野では,上皮内腫瘍を分子レベルや遺伝子レベルで理解しようと試みられている.いくつかの臓器では,すでに上皮内腫瘍が治療の対象となり,診断に有用なマーカーも見つかっている.実際,病理医として日常診療に携わっていると,かなりの比率で上皮内腫瘍を診断していることに驚かされる.子宮頸部の生検は以前からよく行われた検査であり,最近では頭頸部領域,尿路系,消化管などの臓器でも上皮内腫瘍を念頭に置いた病理検査が頻繁に行われている.それらの臓器では,上皮内腫瘍に関して,臨床医と病理医のコンセンサスもほぼ構築されている.胆道系でも,上皮内腫瘍を術前に診断するためのデバイスの工夫や病理診断の基準の作成が試みられているが,まだまだやらなければならないことが多く残されている.おそらく,今後数年で胆管上皮内腫瘍の分類に関して何らかのコンセンサスが得られるだろう.その後は,内視鏡による数ミリの病変を描出,新たな診断ツールやデバイスが開発され,胆管上皮内腫瘍をターゲットとした検体が病理検査に多く提出される日も遠くないかもしれない.

 本特集号ではこれまでにわかっていること,現在の問題点,今後の課題について各先生方に解説いただいた.上皮内腫瘍を議論する際,顕微鏡レベルの議論に固執し,臨床医に敬遠されてしまうことが多いが,本特集号では,臨床的な側面からも解説いただいた.本特集号が胆道系腫瘍を理解する一助になるとともに,今後の診療に役立てば幸いである.日本は諸外国に比べ胆道系疾患の頻度が高く,今後数十年の胆道上皮内腫瘍にまつわる活発な議論に日本の医師が中心的な役割を担うことを期待して,本特集を終わりにしたい.    (全  陽)


 

目次

〔巻頭言〕胆道癌病態解明への新たな一歩 金沢大学 中 沼 安 二…705

胆管上皮内腫瘍 / 前がん病変の分類 金沢大学 全   陽,他…709

Biliary intraepithelial neoplasia(BilIN)

 BilINの病理学的特徴と異型度分類 九州大学 相 島 慎 一…715

 進行胆道領域癌に伴う胆管上皮内癌成分からみたBilINの位置づけ

   国立がんセンター研究所 尾島 英知,他…723

 慢性胆道疾患における発癌,胆道癌の進展過程における分子メカニズム

東京女子医科大学消化器病センター 川本  徹,他…731

 膵液胆道逆流現象に合併する胆道癌 東京都立駒込病院 神澤 輝実,他…741

胆管内乳頭状腫瘍・粘液産生胆管腫瘍

 胆管内乳頭状腫瘍の病理学的特徴 東京大学 福嶋 敬宜,他…747

 ムチンからみた腫瘍進展プロセス 鹿児島大学 米澤  傑,他…755

 胆管内乳頭状腫瘍と粘液産生胆管腫瘍との異同

   手稲渓仁会病院消化器病センター 真口 宏介,他…769

 胆管内乳頭状腫瘍・粘液産生胆管腫瘍の臨床的特徴 東京大学 多田  稔,他…777

 胆管内乳頭状腫瘍の進展度診断:POCSとIDUSの有用性と限界

岡山大学 水野  修,他…783

 胆管内乳頭状腫瘍の外科的治療 東京労災病院 皆川 正己,他…793

胆管嚢胞性腫瘍 

 胆管嚢胞性腫瘍の病理学的位置づけ 順天堂大学 信川 文誠,他…801

 粘液産生性胆管腫瘍の画像所見─卵巣様間質の有無による違い─

   信州大学 上田 和彦,他…809

 胆管嚢胞性腫瘍と区別すべき非腫瘍性/過誤腫病変 金沢大学 龍  泰治,他…817

 胆管嚢胞性腫瘍の外科的治療 名古屋大学 菅原  元,他…825



座談会“胆管上皮内腫瘍に関する話題”

全陽/福嶋敬宜/野田  裕/近藤  哲 ………………………………831

 

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