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「肝胆膵」(75巻2号特大号・2017年8月特大号)
特集/肝細胞癌の化学療法が変わる

「肝胆膵」(75巻3号・2017年9月号)
特集/膵・胆道癌の早期診断を目指せ!

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 第55巻5号(2007年11月号特大号) 特集/肝胆膵がんと化学療法のすべて
定価(\)本体 6,600+税 送料(\) 200


編集後記

 各県に認定されつつある癌拠点病院あるいは各医療施設におけるがん治療センターの開設など,悪性腫瘍に対する根治的治療から緩和療法までその社会的ニーズが高まってきている.このような背景とともに,市場リサーチや学会での参加状況を鑑みて肝胆膵悪性腫瘍の化学療法を特集に選んだ.

 肝がんに対しては外科的切除と内科的局所療法が主流であるが,背景などを考慮すると,その多くは再発する.何回も何回も局所治療を行っても,いずれは進行性肝がんの様相を呈し,がん死もしくは肝不全死に陥る.それでも,時期を失しなければ,これも究極の治療法としての肝移植という選択肢が燦然と輝いている.そして,この局所療法と肝移植の合間に放射線療法とともに制がん剤を用いた化学療法が位置している.日本肝癌研究会の全国調査を参考にそれぞれの治療法の選択頻度を見ると,肝切除20%,内科的局所療法20%,TACEなどのIVR 20%,化学療法20〜30%,残りが肝移植や放射線療法などの治療法である.これを見ても化学療法がいかに多く臨床の場で用いられているかが分かる.一方,胆道系腫瘍,膵腫瘍に対する治療法は外科的切除か化学療法しか,現状では選択する手段がない.それほど肝胆膵の悪性腫瘍に対して化学療法が主座を占めている.

 本特集は悪性膵腫瘍担当の小泉勝先生が病期別による化学療法の選択,薬剤からみた化学療法,そして補助療法などの項目立てを考案された.この明晰な項立てに胆道疾患担当の有井滋樹先生と肝がん担当の小生が諸手を挙げて賛成し,その項立てに色を付けた.より臨床的にかつ実践的な意味合いで,その道の専門家にエキスパートオピニオンとして化学療法の実践的問題点をピックアップして解説して頂いた.

 肝胆膵の悪性腫瘍に対する化学療法のup-dateとして,是非とも臨床の場で活用して頂き,互いに,がん撲滅に精進しようではないか.




 

目次

肝疾患

 病期からみた化学療法の選択

  進行肝細胞癌に対する肝動注化学療法                      山下 竜也,他

  門脈腫瘍栓を有する肝細胞癌に対する化学療法

   ─PVTT例に特化した治療戦略,動注,もしくは経口療法を問う─         田中 正俊

  遠隔転移を有する肝細胞癌に対する化学療法

   ─肺,骨,脳転移例を有する場合の治療を問う,全身投与か─          池上  正,他

  肝細胞癌に対する肝切除後の化学療法

   ─術後の再発防止を目的とする化学療法に意義があるのか─           森口 正倫,他

  肝細胞癌に対する肝移植と化学療法                       成田 諭隆,他

 カテーテル治療としての化学療法

  リピオドール動注療法                             熊田  卓,他

  TACEにおける抗癌剤─併用する抗癌剤とその効果─                前田  登,他

 薬剤からみた化学療法─作用機序,理論と投与方法,成績,副作用

  アイエーコール(CDDP)                            吉川 正治,他

  5FUとインターフェロン                            永野 浩昭,他

  ビタミンKによる肝癌細胞増殖抑制                       榎本 平之,他

  非環式レチノイドによる化学肝発癌予防                     清水 雅仁,他

  Farmorubicinとadriamycin                           淀野  啓

  ソラフェニブ                                 沖田  極

  肝細胞癌に対する分子標的薬の開発状況                     金井 文彦,他

  Gemcitabine                                 小尾俊太郎,他

  UFT-E(Enteric-coated tegafur/uracil)                    石川  達,他

 Expert opinion

  非代償性肝硬変を有する進行肝細胞癌に化学療法は行わないのか          安東 栄治,他

  高齢者肝細胞癌に対する化学療法の意義はあるのか                木村  達,他

  肝移植後の再発予防化学療法としていかなる対策を講じるか            松波 英寿,他

肝内胆管癌(胆管細胞癌)

 病期による化学療法の選択

  肝内胆管癌に対する術後補助化学療法                      倉持 英和,他

  切除不能進行癌

   胆管細胞癌(胆道癌)に対する全身化学療法の治療成績             長岡  栄,他

   非切除肝内胆管癌に対するリザーバー動注化学療法+放射線療法         桑田 靖昭,他

 薬剤からみた化学療法

  ゲムシタビン(GEM)の化学療法                        河本 博文,他

  5-FUその他の化学療法                             沖津恒一郎,他

  胆管癌の分子標的治療                             田中 真二,他

 肝内胆管癌に対する抗癌剤感受性の検討                      森根 裕二,他

胆道疾患

 病期による化学療法の選択

  胆管癌に対するNeoadjuvant chemotherapy(chemoradiationを含む)の試み     片寄  友,他

  胆管癌に対するadjuvant chemotherapyの試み                  中村 典明,他

  胆管癌術後adjuvant therapyとしてのphotodynamic therapy            七島 篤志,他

  切除不能進行胆道癌に対するchemotherapy                    森実 千種,他

 薬剤からみた化学療法

  肝内肝外胆管癌(胆道癌)に対するGFP化学療法                 山下 洋市,他

  進行胆道癌におけるIrinotecan+low-dose CDDP(I/low-P)療法          杉田 裕樹,他

  CPT-11を用いた胆道癌治療                           宮ア 耕治,他

  胆道癌に対するGemcitabineを用いた化学療法                  古瀬 純司,他

  S1化学療法の胆道癌における効果                        棟方 正樹,他

 抗癌剤とその他の補助療法の併用療法

  進行胆嚢癌・胆管癌に対する放射線併用動注化学療法               鉾立 博文,他

  進行胆道癌に対する温熱化学放射線療法                     神澤 輝実,他

悪性膵腫瘍の化学療法

 膵管癌の化学療法

  病期による化学療法の選択

   膵癌切除後の補助療法                            上野 秀樹,他

   膵癌切除例の補助療法─術後門注+動注療法                  石川  治,他

   遠隔転移性切除不能膵癌:進行癌                       古瀬 純司,他

   局所進行切除不能膵癌に対する治療                      竹田  伸,他



  薬剤からみた化学療法

   ゲムシタビン(GM)の化学療法─単独,併用,放射線併用            船越 顕博,他

   S-1の化学療法─単独,併用,放射線併用─                  須藤研太郎,他

   膵管癌に対するゲムシタビン,S-1,

    分子標的治療薬を除くその他の化学療法                   奥坂 拓志,他

   膵癌における分子標的治療                          石田 博雄,他

  エクスパートオピニオン

   GMとS-1どう使うか : 単独, 併用, ファーストライン, セカンドライン

    進行膵癌に対するgemcitabineとS-1の用い方                 澄井 俊彦,他

    切除不能進行膵癌に対するGEM・S-1による化学療法

     ─Combination or Sequential Therapy─                 中井 陽介,他

  ゲムシタビンの感受性と耐性化に関する因子                   丹野 誠志,他

 膵内分泌腫瘍の化学療法                             土井隆一郎,他

 悪性膵のう胞腫瘍の化学療法 山口 幸二,他  

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