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 第54巻3号(2007年3月号) 特集/本邦における非B非C肝癌の実態
定価(\)本体 2,760+税 送料(\) 150


編集後記

 本邦における非B非C肝癌の実態は2005年に第41回日本肝臓研究会で小俣政男会長のもとパネルデスカッションとして取り上げられた.それ以降も多数の演題が肝臓学会や肝癌研究会で発表されている.本邦ではHCV, HBVのマーカーがともに陰性の肝癌が10%前後認められる.さらにその約半数は背景肝疾患としてアルコール性,自己免疫性,代謝性などの明らかな肝疾患はなく,原因不明の肝癌である.一方,わが国では最近になって生活習慣病であるmetabolic syndromeの肝表現型と考えられているNASHが急増している.糖尿病患者における脂肪肝から肝硬変に至る形態発生はすでに1960年代の前半ごろから本邦でも論じられてきたが,現在ではこのようなNAFLD/NASHの病態と発癌リスクの高いC型慢性肝疾患の病態は極めて類似し,共に酸化ストレスの増強やアデポサイトカインの異常産生によるインスリン抵抗性などが肝細胞障害や線維増生機序の主体をなしていることが判明している.したがって肝硬変の長期経過中に脂肪化が消失したburn-out NASHでは発癌リスクの高まりが推測され,cryptogenic肝癌の成因として注目されている.しかし,各施設から学会などで報告されている非B非C肝癌の背景肝疾患はまさにNASHに類似したものからほぼ正常に近いものまで多岐に亘り,その成因についてはなお議論の多いところである.このような現状で非B非C肝癌を特集号に取り上げるのは時期尚早と思われたが今後の研究の方向性を少しでも示して頂き,議論を深めるきっかけになればと取り上げさせて頂いた.


 

目次

〔巻頭言〕本邦における非B非C肝癌の実態                      小俣 政男
非B非C肝癌とは                                  岡上  武,他
非B非C肝細胞癌の背景因子/背景肝疾患                       川村 祐介,他
HBV, HCVを除く各種慢性肝疾患における肝発癌の臨床的特徴
 アルコール性肝障害                               矢野 博一,他
 NAFLD/NASH                                   橋爪 洋明,他
 原発性胆汁性肝硬変,自己免疫性肝炎,原発性硬化性胆管炎からの肝細胞癌発生    市田 隆文,他
 Budd-Chiari症候群,IPH                             安東 正晴,他
 日本住血吸虫症                                 松田 政徳,他
 Wilson病,ヘモクロマトーシス                          堀池 典生,他
 糖尿病と肝発癌                                 前田  愼
非B非C型肝癌の診断契機                              稲田  暢,他
非B非C肝癌の病理学的特徴─B型,C型との比較─                   澤田 星子,他
非B非C肝癌の治療と長期予後─C型肝癌との比較─                  建石 良介,他


座談会                                      山田剛太郎
                                         橋本 悦子
                                         田中 直樹
                                         鹿毛 政義
                                         有井 滋樹


臨床研究
全国疫学調査による難治性の肝疾患の日本の患者数推定                大浦 麻絵,他
C型慢性肝炎のインターフェロンα2b/リバビリン療法における
 血球減少に対する亜鉛補充の検討                         川口 雅功,他  

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