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「肝胆膵」(74巻6号・2017年6月号)
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「肝胆膵」(75巻1号・2017年7月号)
特集/ニュートリゲノミクスから斬る肝胆膵疾患

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 第54巻2号(2007年2月号) 特集/自己免疫性膵炎(AIP)の胆管病変と原発性硬化性胆管炎(PSC)
定価(\)本体 2,760+税 送料(\) 150


編集後記

 今月の特集には「自己免疫性膵炎(AIP)の胆管病変と原発性硬化性胆管炎(PSC)」を企画した.少し理解し難いようなタイトルであるが,なぜこのような企画が組まれたのか,歴史的背景を含めて説明しておく必要がある.1961年にSarlesらが98例の確実な慢性膵炎患者の臨床記録を調査中に特殊な症例を発見し,膵の慢性炎症性硬化症として報告しており,10例中9例に胆管狭窄があり,その内2例では膵上縁部で完全胆管閉塞を認めている.1995年にYoshidaらが,自験例と過去の膵腫大の報告10症例を集めて自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis; AIP)を提唱したが,ここでも胆管に関しては下部総胆管の狭窄と上流胆管の拡張として報告されているに過ぎない.その後もAIPにおける下部総胆管狭窄が数多く報告されているが,胆管狭窄は腫大した膵による圧排の結果であると考えられていた.しかし,AIPの概念が普及するとともに,AIPの胆管病変も注目されるようになり,2001年には本庶らが,始めてAIPの62%に肝内外胆管壁の肥厚が認められ,肥厚した胆管壁には線維化とリンパ球を主体とする炎症性細胞浸潤があり,超音波画像上は原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis; PSC)における胆管壁肥厚に比べ低エコーで,ステロイド治療により改善することを報告している.PSCでは胆管像や肝組織の病期は進行性でやがて肝不全に陥る症例がみられるが,AIPに伴った胆管病変は臨床経過が良好であり,大部分の症例は胆道ドレナージやステロイド投与により肝障害も軽快する.つまりAIPに伴った胆管病変は,通常のPSC とはその臨床像も大きく異なる.臨床像から検討すると,AIPはPSCとは異なる病態と考えられるが,画像上は肝内外に広範囲に硬化性の胆管像を呈し,両者の鑑別が難しい.PSCとAIPで見られる胆管狭窄の鑑別診断は,両疾患の重複の生理のみならず,病因に迫る重要な所見と考えられる.このような問題から,今月の特集を企画した.この企画でPSCとAIPの現状を理解し,AIPにおける硬化性胆管炎とPSCの異同を解明する礎になればと願っている.


 

目次

〔巻頭言〕わが国における硬化性胆管病変の疫学調査:その総合戦略          大西 三朗

疫学

 自己免疫性膵炎における胆管病変─全国調査から                  西森  功,他

 原発性硬化性胆管炎(PSC)─全国調査から                    滝川  一,他

 外国との比較                                  能登原憲司,他

病態

 膵病変を有さないIgG4関連硬化性胆管炎                      浜野 英明,他

 PSCの膵病変                                  島田 昌彦,他

 PSCとAIPの免疫異常                               岡崎 和一,他

診断基準

 自己免疫性膵炎                                 小泉  勝

 原発性硬化性胆管炎の診断基準                          沼田 義弘,他

鑑別診断

 臨床像からみた自己免疫性膵炎に合併する胆管病変と原発性硬化性胆管炎の鑑別    大原 弘隆,他

 胆管造影像からの鑑別診断                            寺田  亮,他

 血清学的検査からの鑑別点                            神澤 輝実,他

  硬化性胆管炎の病理学的鑑別                          全   陽,他

治療

  原発性硬化性胆管炎の治療                           成田 諭隆,他

自己免疫性膵炎と自己免疫性膵炎関連硬化性胆管炎の予後               河邉  顕,他





座談会                                      中沼安二

                                         小泉 勝

                                         中沢貴宏

                                         小山里香子

                                         栗山茂樹





臨床研究

 高ウイルス量のC型慢性肝炎に対するインターフェロンと

  リバビリン併用療法の治療効果と治療効果予測因子の検討             釈迦堂 敏,他  

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