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「肝胆膵」(76巻1号・2018年1月号)
特集/肝胆膵とアルコール −serendipityを目指して−

「肝胆膵」(76巻2号・2018年2月号)
特集/C型肝炎の新たな壁を越える次世代DAA治療

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 第53巻5号(2006年11月号特大号) 特集/肝がん治療のすべて
定価(\)本体 6,600+税 送料(\) 200


編集後記

 肝細胞癌に関する診断と治療というタイトルで特集を組もうと思ったが,あまりにも範囲が広すぎる.そこで,臨床医が日常診療で数多く遭遇し,是非とも知りたいことは診断より治療ではないかと考えた.早期から進行性の肝細胞癌に対する治療を如何に患者の実情に合わせた治療を行うかが重要と考え,治療に絞って特集を組むことにした.昨今のエビデンスベースの医療から考えると,肝細胞癌の治療に関しては,肝切除とエタノール局注療法,マイクロ波凝固療法と短期間での評価であるラジオ波焼灼療法しか受け皿がない.最近の日本肝癌研究会全国調査からのTACEのコホート研究もそのエビデンスレベルはまだまだ低く扱われている.そこで,エビデンスに捉われず,そして保険診療に制約を受けず,何かしらの可能性のある治療法を網羅し,それぞれの肝予備力,背景病態,腫瘍局在,新規あるいは再発状況を鑑みて臨床医が選択できる治療法のヒントになればとの思いから,肝細胞癌治療の集大成を目指した.編集委員会での時間をかけたやり取りから執筆項目を厳選し,ブラックリストに載っていない執筆者をノミネートして,この特集が出来上がった.そんじょそこらの肝細胞癌の治療特集とは一味もふた味も異なった特集が完成したと自負する.是非とも,この肝細胞癌の治療特集を参考に,患者一人ひとりの治療に邁進していただきたいと願う次第である.



 さて,地域によっては,突然,前頭部に溶岩ドームのような骨転移で現れる肝細胞癌の患者も少なくはない.囲い込みから見出される早期肝細胞癌ばかりでなく,このような初診での進行性肝細胞癌ステージIVbや治療を繰り返し,局所治療もIVR治療も儘ならない再発性進行性肝細胞癌も立派な治療対象である.医者があきらめたら,患者はもう行き場所がない.訳の分からない東北の温泉に投宿するような患者を増やすわけには参らない.



 読者各位の肝細胞癌治療のプロとしてのさらなる奮起を願うものである.


 

目次

〔巻頭言〕本邦における肝癌診療の変遷に思う

谷川 久一



肝細胞癌



総論

 背景肝障害と発癌                             全   陽,他

 多中心性発癌                               橋口 明典,他

 肝障害の程度と治療                            猪飼伊和夫,他

 Scoringによる肝細胞癌の予後予測                      工藤 正俊

 アルゴリズム(治療選択)                         國土 典宏,他

 肝細胞癌の治療評価                            池田 健次

 QOLからみた肝細胞癌の治療選択と医療経済                  日野 啓輔,他

化学療法

 肝細胞癌治療に用いられる抗癌剤(ドキソルビシン,5FU,シスプラチンなど)の

  作用機序・代謝経路・副作用                       佃   博,他

 インターフェロンの抗腫瘍効果                       矢野 博久,他

 進行肝細胞癌に対する抗癌剤(シスプラチンなど)の単回投与         吉川 正治,他

低用量シスプラチン/5-FU併用持続動注療法                  安東 栄治,他

 インターフェロン/5FU動注療法                       左近 賢人,他

 肝細胞癌に対する全身化学療法の現況―経口抗癌剤投与の臨床的意義―     石川  達,他

局所療法

 経皮的エタノール注入療法(PEI)                      岡部真一郎,他

 肝細胞癌に対する局所療法-マイクロ波凝固壊死療法(MCN)          才津 秀樹,他

 ラジオ波熱凝固療法の手技と工夫(人工胸水下治療を含む)          國分 茂博,他

 5 cm以上の大型肝癌病変に対するラジオ波焼灼療法の適応           小池 幸宏

 肝細胞癌に対するラジオ波焼灼療法における合併症対策            今井 康晴,他

 肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術の予後(エタノール注入療法との比較)    岩田  郁,他

 小切開下ラジオ波焼灼療法                         田中 正俊,他

 肝細胞癌に対するcryoablation(凍結融解壊死治療)             若林  剛,他

 肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓療法(手技と工夫)             岡崎 正敏,他

 TACEの合併症対策                             黒川 典枝

 肝細胞癌に対するTACEの長期予後と予後改善のための対策           高安 賢一

 肝細胞癌局所療法の効果判定                        小林  聡,他

外科的治療(肝切除)

 小型肝癌に対する外科的治療                        別宮 好文,他

 進行性肝癌の外科的治療                          佐々木 洋,他

 術前門脈塞栓併用肝切除                          横山 幸浩,他

 肝細胞癌に対する脾摘併用肝切除                      川村  徹,他

 高度門脈腫瘍栓合併肝細胞癌に対する肝切除                 波多野悦朗,他

肝移植

 肝細胞癌に対する生体肝移植の適応と移植時期                市田 隆文,他

 ミラノ基準内と基準外手術の成績                      居村  暁,他

 肝移植におけるダウンステージ                       嶋村  剛,他

再発予防対策

 インターフェロンによる肝癌再発の抑制                   原  直樹,他

 非環式レチノイドによる肝再発癌の化学予防                 清水 雅仁,他

 ビタミンK2による肝癌再発の抑制                      水田 敏彦

今後の展望

 肝細胞癌に対する陽子線,炭素線照射療法─重荷電粒子線療法の現状と適応─  松崎 靖司,他

 抗血管新生剤                               田中 真二,他

 肝癌に対する免疫療法                           阿部 雅則,他

転移性肝癌

 転移性肝癌の治療方針                           石崎 陽一,他

治療法

 転移性肝癌の外科治療                           山本 順司,他

 大腸癌両葉多発肝転移に対する二期的肝切除術                田中 邦哉,他

 転移性肝癌のラジオ波焼灼術(RFA)                     椎名秀一朗,他

 転移性肝癌に対する化学療法                        荒井 保明

肝内胆管癌

 肝内胆管癌:病理形態からみたその発生                   中沼 安二,他

 肝内胆管癌の治療方針                           大塚 将之,他

治療法

 腫瘤形成型肝内胆管癌の肝切除―慢性肝炎,肝硬変を伴う肝内胆管癌の特徴―  有泉 俊一,他

 肝切除:胆管内発育型                           岡村 圭祐,他

 肝内胆管癌の化学療法(動注を含む)                    古瀬 純司,他

 

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