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特集/胆管内腔発育型腫瘍の概念と実態

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 第53巻2号(2006年8月号) 特集/胆嚢癌をめぐる最近の話題
定価(\)本体 2,760+税 送料(\) 150


編集後記

 今月号の特集は「胆嚢癌をめぐる最近の話題」を取り上げた.本邦の胆嚢癌は末期進行癌で発見されることが多く,外科的切除を含めた化学療法や放射線療法の成績が不良であり,一方,早期癌は予後良好であるものの検出が容易でない現状にある.昨年の第34回日本胆道外科研究会で胆嚢癌2,520例のアンケート調査結果が報告され,最近は診断技術の進歩や腹腔鏡下胆嚢摘出の普及もあって,早期癌の発見は増加傾向にあるが,依然として進行癌が大部分であり,胆嚢癌が予後不良な疾患であることに変わりがない.

 しかし,見方を換えると胆嚢癌はそれを早期に発見できれば長期生存も見込める癌である.

 現在,存在診断には超音波検査が発見の糸口として広く用いられており,胆嚢内結石,合流異常,隆起性病変のハイリスク群から早期癌を如何に拾い上げるかがポイントの一つになっている.質的診断については超音波内視鏡 MRCP,3次元マルチCTの有用性が高く評価されており,これらの画像診断を駆使して進展度診断を正確に行い,肝内直接浸潤,リンパ腺転移,胆管側浸潤を明らかにして手術適応例の選択,根治性と安全性の両面から術式決定に繋げることが大切である.しかし,現時点の胆嚢癌の診断は画像診断が主体で,内視鏡による肉眼的観察や腫瘍生検試料の採取は容易でなく,鑑別診断にも限界が存在するところから,今後は新たな治療戦略の台頭が待たれる.

 本企画はそれらを踏まえて,本邦における胆嚢癌発見の現状,診断法の進歩,ステージ分類を踏まえての治療,進行胆嚢癌のQOLの向上,胆嚢癌に関する遺伝子研究のトピックスを各領域のご専門の先生に執筆をお願いした.本特集により読者の皆様が胆嚢癌の理解を深められ,日常の診療にお役に立つことを期待する.


 

目次

〔巻頭言〕最近の集計成績から                          水本 龍二

総論

 検診による胆嚢癌発見の要因と現況─発見契機となる超音波所見─          吉岡 律子,他

 本邦の早期胆嚢癌の現状                            川嶋 啓揮,他

 胆嚢癌と潜在的膵液胆汁逆流現象の診断                     崔  仁煥,他

 胆嚢癌の病理的進展様式                            千葉 裕樹,他

 胆嚢癌のStage分類と治療プロトコール                      伊東 浩次,他

診断法の現況と問題点

 胆嚢癌の超音波診断の現況と問題点                       三好 広尚,他

 胆嚢動脈壁血流測定(GWBF)                          廣岡 芳樹,他

 3次元MDCTおよびMRIによる胆嚢癌診断                      関口 隆三

 胆嚢癌とIDUS,POCS                              杉山 晴俊,他

進行胆嚢癌の対応と治療

 進行胆嚢癌に対する外科的治療の適応と限界                   加藤  厚,他

 進行胆嚢癌に対する放射線療法と動注化学療法の併用療法             齋藤 博哉

 胆嚢癌に対するGemcitabine療法の評価                      佐々木 隆,他

視点

 胆嚢癌の発症機構と遺伝子変化                         湯浅 保仁

 肝胆道癌の転移・浸潤と転写因子Snail                      深瀬 耕二,他



座談会                                     牧野  勲

                                        角田  司

                                        藤田 直孝

                                        糸井 隆夫

                                        岡庭 信司  

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