今後の特集のご案内

「肝胆膵」(74巻6号・2017年6月号)
特集/自己免疫性肝・胆管疾患のupdate

「肝胆膵」(75巻1号・2017年7月号)
特集/ニュートリゲノミクスから斬る肝胆膵疾患

バックナンバーはこちら



 第53巻1号(2006年7月号) 特集/高齢化時代を迎えた肝臓病−高齢化の実態と対策−
定価(\)本体 2,760+税 送料(\) 150


編集後記

 わが国は現在では世界で一番の長寿国である.健康長寿が理想であるが,実際には生活習慣病や老化に伴う慢性疾患を患っておられる高齢者が多い.肝臓病の患者も急速に高齢化時代を迎えているが,最近,高齢者の日常診療で痛感することは,外科の寺本先生がお書きになっている点とまさに同じであり,ヒトは病気を克服して長生きしたい気持ちは何歳になっても同じである.できれば根治を目指して治療を受けたいとの希望が強く,高齢であっても長年の生活習慣や生き様によって個々の肉体的,精神的老化度に応じた治療法の選択が重要と思われる.そのためには,65歳以上を高齢と年齢だけで断定するのでなく,もっと適切な個人の肉体的,精神的な老化の程度を客観的に把握する方法をぜひ開発して頂きたい.また欧米では早くからQOLの維持を治療に際して重要な評価項目に加えてきたが,本邦でも高齢者の治療にあたっては治療効果と同時にQOLの低下しない治療法を評価したい.さらに,社会的には健康長寿の高齢者のみでなく,肝硬変や肝癌のような慢性肝疾患を持ちながら在宅で日常生活を送っている高齢者も増加し,老々介護などの新たな問題も生じている.高齢者医療全般の問題である.

 今回の特集では“高齢化時代を迎えた肝臓病”として,より実践に即したテーマである“高齢化の実態と対策”を選ばせて頂いた.高齢者の肝臓病において少しでも個々の老化の程度に応じたテーラーメードの治療を実施して頂ければと考え,前半は基礎のエキスパートの先生方に個体の老化に細胞レベルの老化がどのように関与しているのか:老化の内的因子,外的因子,寿命遺伝子,老化の制御よりご紹介いただき,さらに加齢に伴う肝細胞の形態的,機能的変化や老化マーカーについて解説頂いた.後半は高齢に伴う肝疾患に特徴的な病態として免疫応答の変化,線維化の急速な進展,肝発癌増加の機序の解説に加えて,代表的肝疾患の高齢者の実態と対策を症例経験の豊かな,実践に即した考えた医療を実行されている先生方にご紹介いただいた.


 

目次

〔巻頭言〕高齢の肝臓病患者に思う                    谷川 久一

肝疾患の変遷:高齢者の頻度                       新山 豪一,他

細胞の老化

 内因性細胞老化(老化時計)                      井出 利憲

 外因性(酸化ストレス)                        豊國 伸哉

 長寿の遺伝子                             石井 直明

 老化の制御                              新村  健

肝細胞の老化

 老化過程における肝臓の形態像                     佐藤 秩子

 肝機能の加齢に伴う変化                        村脇 義和,他

 老化関連マーカーの発現                        佐々木素子,他

高齢化に伴う肝疾患の病態

 免疫応答の変化:肝炎の遷延,重症化                   石川 哲也,他

 高齢者の肝線維化                           岡崎  勲,他

 肝発癌の増加                             白橋  斉,他

各種肝疾患の高齢化の病態と対策

 高齢者急性肝炎・劇症肝炎の実態と対策                 矢野 公士,他

 慢性肝疾患(B型・C型)の高齢化の病態と対策              池田 健次,他

 NAFLD                                西原 利治,他

 自己免疫性肝疾患                           阿部 雅則,他

 薬物性肝障害                             神代 龍吉

高齢者肝癌に対する肝切除                        寺本 研一,他



座談会                                 山田剛太郎

                                    岡上  武

                                    市田 隆文

                                    汐田 剛史

                                    中沼 安二



学会印象記

 第42回日本肝臓学会総会印象記                     沖田  極  

バックナンバーはこちら