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最新号
 第51巻6号(2005年12月号) 特集/急性膵炎−今日の臨床的諸問題=重症化阻止はいかに

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

 重症急性膵炎の致命率は,1982−1986年の調査では30%と報告されている.重症急性膵炎が,働き盛りにある成人男性,特に40歳代から60歳代に多く,良性疾患であるにも関わらず致命率が高く,治療法も確立されていなかったことから,厚生省(現厚労省)難治性膵疾患調査研究班の班長であられた斉藤洋一先生のご努力で,1991年1月から,重症急性膵炎が厚生省特定疾患治療研究事業の対象疾患,いわゆる「難病」に指定され,医療費の公費給付の対象疾患になった.このような,国を挙げての取り組みにも関わらず,1997年の全国調査における重症急性膵炎の致命率は27%で,治療成績の向上は認められていなかったが,2003年に発症した急性膵炎の全国調査での致命率は,膵炎全体では2.9%,重症膵炎では9.0%と著明に低下してきた.しかし,重症度スコア15点以上の最重症例では,いぜんとして致命率は60%にも達しており,急性膵炎は,良性疾患であるにも関わらず重症化すれば現在もなお予後不良の難治性疾患であると言える.
 2003年7月には,日本腹部救急医学会,日本膵臓学会と厚生労働省難治性膵疾患調査研究班の合同で「エビデンスに基づいた急性膵炎の診療ガイドライン」が,また,今年の3月には厚生労働省難治性膵疾患調査研究班から「急性膵炎における初期診療のコンセンサス」が発刊された.急性膵炎に対する診断と治療に関して文献に基づくエビデンスと,膵炎専門家によるオピニオンの両方から急性膵炎を攻めることで,急性膵炎の救命率が改善すると期待される.本誌今月号では「急性膵炎?今日の臨床的諸問題=重症化阻止はいかに」を企画し,ガイドラインとコンセンサス以後の急性膵炎攻略方法をテーマにした.
 急性膵炎で治療を受けた患者数は,1987年では14,500人,1998年では19,500人,2003年では35,300人と推計されており,急性膵炎の患者数は,調査毎に増加し,特に,1998年から2003年までの5年間で2倍近く増加している.本誌が多くの先生方に読まれて,急性膵炎の救命率改善に少しでも寄与できることを期待している.

 

目次

●特集

〔巻頭言〕急性膵炎の諸問題                           齋藤 洋一
疫学−急性膵炎の実態
 全国疫学調査および特定疾患医療費受給者証の
  新規受給者を対象とした実態調査からの解析                  木原 康之,他
急性膵炎の診断とその問題点
 急性膵炎の新しい診断基準・重症度判定基準
  −改定案作成の経緯と今後の課題−                      武田 和憲
 急性膵炎に対する新しい生化学的マーカー                    成瀬  達
 急性膵炎の画像診断法−造影CT,MRIの役割                    石原  武,他
急性膵炎−重症化の過程
 臨床例の解析から                               大槻  眞,他
 重症化因子から(サイトカイン/ケモカイン)                  佐藤 晃彦,他
 血流動態からみた急性膵炎の重症化機序                     広田 昌彦,他
ERCP後膵炎の予防                                山本 夏代,他
急性膵炎の治療
 ガイドラインと初期治療(コンセンサスから)                  小泉  勝,他
 抗菌薬,抗酵素剤の使い方と補液療法                      荒田 慎寿,他
 胆石性膵炎の内視鏡治療                            杉山 政則,他
 重症膵炎への特殊治療 (動注,SDD,経腸栄養)                 竹山 宜典
 急性膵炎に対する外科的治療の適応と手術タイミング               伊佐地秀司,他
急性膵炎重症例の長期予後                            上田  隆,他



座談会                                 (司会)大槻  眞
                                        小泉  勝
                                        武田 和憲
                                        石川 英樹
                                        桐山 勢生
                                        片岡 慶正
 

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