今後の特集のご案内

 2005年 8月号 年齢・性差と肝胆膵疾患
     9月号 肝の循環動態:基礎から臨床への展開
     10月号 胆管系と自然免疫:生体防御と病態形成への関与
 

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最新号
 第51巻1号(2005年7月号) 特集/劇症肝不全

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

 本号の特集の題名を「急性肝不全」と予定していたが,編集委員からの意見で「劇症肝不全」と変更したところ,藤原研司先生の巻頭言にもみられるような御意見をいただいた.私自身は,急性肝不全(acute hepatic failure)とすると亜急性肝不全(subacute hepatic failure)は入らないのかという問題があるし,劇症肝炎とすると肝炎に起因するものしか含まれないのかといった問題もある.したがって,急激な臨床経過で肝不全状態になるものをすべて含むといった意味で劇症肝不全といった用語を用いても良いと判断したからである.いずれにしても内容に違いはない.国際的にも必ずしもこの名称に統一がないし,本邦でもこのあたりのものを含めて,本邦における「劇症肝不全」の全体の見直しとまとめを肝臓学会か急性肝不全研究会のレベルでしてもらいたいものである.
 この劇症肝不全の中で,私がもっとも興味のあるのが,成因に関して原因不明という部分が近年およそ半数をしめていることである.この中でAIHや近年明らかになったE型肝炎も含まれると思われるが,さらにはNASHによるものも最近では経験される.さらには高齢者にみられる急性心不全に基づくものもあるかもしれない.いずれにしても,高齢者社会をむかえた本邦において,全身的な疾患が肝不全という形で発現するものもあるかもしれない.
 このような中で,従来と変わらず多いのがHBVに基づくものであり,急性感染からのものではgenotype Aに基づくものが最近多くなってきているし,またキャリアからの急性増悪例では,化学療法やステロイド長期投与による潜在性HBV感染からのものも注目を集めている.
 治療に関しては,近年生体肝移植の成績の良いことが報告されているが,安易に移植医療にまかせるのではなく,肝不全早期の診断と対策が重要であろう.
 今回の特集は,劇症肝不全についての諸兄姉の注目を喚起することも目的の一つとして組まれたことを理解して戴きたい.
 

目次

●特集

〔巻頭言〕何が課題か                              藤原 研司
劇症肝不全の全国統計                              滝川 康裕,他
劇症肝炎の発生機序                               永木 正仁,他
病理所見ー移植時の劇症肝炎摘出肝での検討                    川下 雄丈,他
劇症肝不全の診断と治療方針(予後推定を含めて)                 蓮池  悟,他
ウイルス性肝障害
 A型肝炎の重症化とHAV遺伝子変異                        藤原 慶一,他
 B型肝炎の急性増悪                               南  祐仁,他
 E型肝炎の重症例                                熊谷 一郎,他
重症アルコール性肝障害;重症型アルコール性肝炎を中心に             石井 邦英,他
重症薬剤性肝障害                                神代 龍吉,他
術後肝不全                                   工藤  篤,他
治療
 劇症肝不全の内科的治療                            与芝 真彰
 劇症肝不全に対する肝移植                           副島 雄二,他
 バイオ人工肝ー実用化のための基本的な条件                   永森 靜志,他
 新しい治療と今後の展望                            内田 耕一,他

座談会“劇症肝不全”                          (司会)沖田  極
                                        持田  智
                                        与芝 真彰
                                        市田 隆文
 

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