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     7月号 劇症肝不全
     8月号 年齢・性差と肝胆膵疾患
 

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最新号
 第50巻5号(2005年5月号) 特集/非代償性肝硬変の治療の工夫

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

  本邦では肝硬変の長期予後は肝癌死が多く,長年にわたって肝癌の予防と治療に全力が注がれてきた.しかしながら,非代償性肝硬変からの肝不全死もなお多く,一般の医療機関では入退院を繰り返している患者が少なくない.そのような中で昨年秋のDDWで第8回肝臓大会会長の清澤研道教授がワークショップとして今回のテーマを取り上げられた.坪内教授と司会を担当させて頂いたが,会場は朝から満員で,多くの立ち見の先生方が熱心に聴講される姿に,テーマの選択にあたっての清澤教授の見識の高さに敬服すると同時に,非代償性肝硬変の治療が現在の臨床の場で重要なテーマになっていることを改めて痛感した.
 生体肝移植が社会保険の適用を受け,治療法の選択肢は大幅に広がったが,現実には抗ウイルス剤などの予防的治療の恩恵を受けることのできなかった多くの肝硬変患者がすでに60歳代の後半から70歳代の高齢化を迎え,肝発癌とならんで肝不全の予防や治療が緊急の課題となっている.したがって,肝硬変の治療は『肝胆膵』で「肝硬変は治るか」のテーマで2002年5月号に取り上げられてから,まだ3年に過ぎないが,今回,「非代償性肝硬変の治療の工夫」を再度,特集として取り上げさせて頂いた.本邦における非代償性肝硬変の成因別の実態と予後,原因療法としての抗ウイルス療法の可能性,末期肝硬変に出現する肝癌,脳症,腎症,静脈瘤,SBP,難治性腹水などの種々の合併症に対する治療の工夫,肝移植,さらには再生医療の将来について紹介頂いた.
 患者の高齢化に加えて,血小板減少などのためにC型肝硬変患者の代償期から非代償期への進展を予防するための治療法としては,肝庇護療法による経過観察に留まっている例が多い.谷川名誉教授が巻頭言の最後に述べられているように非代償性肝硬変への進展予防に向けての対策が発癌予防とともにますます大切である.
 

目次

●特集

〔巻頭言〕非代償性肝硬変治療の将来の展望                 谷川 久一     

非代償性C型肝硬変の実態と予後                       戸川 三省,他

非代償性B型肝硬変の実態と予後                       長岡 進矢,他

アルコール性非代償性肝硬変の実態と予後                  山岸 由幸,他

非代償性C型肝硬変における抗ウイルス療法の可能性              荒瀬 康司,他

非代償性B型肝硬変における抗ウイルス療法の適応と限界            南  祐仁,他

非代償性肝硬変に合併した肝臓癌治療の工夫                 近藤 祐嗣,他

肝性脳症:肝の重症度と治療成績                      加藤 章信,他

非代償性肝硬変における栄養治療                      福島 秀樹,他

食道・胃静脈瘤に対する至適内視鏡的治療                  幕内 博康

難治性腹水の治療
 肝腎症候群の病態と治療                         福井  博
 SBP,MNBの診断と治療                          徳重 克年,他
 Denver shunt の適応と治療成績                      野口 和典,他
 難治性腹水に対する経頚静脈的肝内門脈静脈短絡術(TIPS)の適応と治療成績 小川 健治,他

非代償性肝硬変に対する生体肝移植の適応と治療成績             市田 隆文,他…791

末期肝硬変に対する再生医療研究の現状と今後の展望             坂井田 功,他…797

座談会“非代償性肝硬変の治療の工夫”               (司会)山田 剛太郎
                                     久保木  真
                                     有井 滋樹
                                     井戸 章雄
                                     沖田  極
 

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