今後の特集のご案内

 2005年 5月号 非代償性肝硬変の治療の工夫
     6月号 末梢型肝内胆管癌
     7月号 劇症肝不全
 

バックナンバーはこちら

最新号
 第50巻4号(2005年4月号) 特集/自己免疫性膵炎の新たな展開

定価(\) 2,835 送料(\) 150

編集後記 紹介

  自己免疫性膵炎は,1961年にSarlesらが98例の確実な慢性膵炎患者の臨床記録を調査中に特殊な症例を発見し,そのうち組織学的検索がなされた10例をまとめて,膵の原発性炎症性硬化症(primary inflammatory sclerosis of the pancreas)として報告したのが始まりである.自己免疫性膵炎という呼称は1995年Yoshidaらによって提唱されたが,同年膵臓学会から示された慢性膵炎臨床診断基準では,膵臓の慢性炎症ではあるが,慢性膵炎臨床診断基準で確診,準確診に合致しないことがあり,膵管系全体が狭窄を示し,自己免疫異常の関与が疑われる「膵管狭細型慢性膵炎」として注釈に記載されたのみであった.しかし,2002年に日本膵臓学会から自己免疫性膵炎の臨床診断基準が発表され,本疾患概念が認知されるようになった.
 近年,自己免疫性膵炎の報告は急増しており,症例の集積につれて,膵以外の臓器疾患の合併,IgG4高値例などの特徴も明らかにされつつある.硬化性胆管炎や唾液腺炎の病理も膵所見と類似しており,これらの臓器の病変は一連の疾患群である可能性があり,全身疾患である可能性も指摘されている.自己免疫性膵炎にはこのように種々の病態が見られることから,本誌の今月号は「自己免疫性膵炎の新たな展開」が企画された.膵病変自体においても瀰漫性のもから局所性のものまであり,これが病期の違いによるものか,異なった病変なのか不明である.さらには,観察期間中に膵石形成が認められる症例や,ステロイド治療後の膵は萎縮している症例もあり,自己免疫性膵炎が慢性膵炎の前病変である可能性も考えられる.
 本症にはいまだ不明の点が多く,多数の症例による臨床像の解析と病態の解明が望まれる.自己免疫性膵炎と自己免疫性膵炎における硬化性胆管炎は,わが国から世界への発信であり,肝臓と膵臓の研究者でこの課題について情報を共有化し,新しい研究を展開していただきたい.
 

目次

●特集

〔巻頭言〕自己免疫性病変を伴う膵臓の炎症性疾患について     中野  哲

概念と診断基準
 自己免疫性膵炎の診断基準と問題点               小泉  勝
 頻度−全国実態調査から−                   西森  功,他
 自己免疫性膵炎の用語の整理と外国との比較           能登原 憲 司

診断の手がかり
 自己免疫性膵炎の臨床像                    桐山 勢生,他
 自己免疫性膵炎におけるIgG4の診断的意義            岡崎 和一,他
 自己免疫性膵炎のCT・MR所見                  入江 裕之,他
 自己免疫性膵炎のERCP所見                   村中  光
 自己免疫性膵炎の診断の手がかり・組織所見           須田 耕一,他

膵外病変
 自己免疫性膵炎における胆管病変                平野 賢二,他
 自己免疫性膵炎と後腹膜線維症                 神澤 輝実,他

進展と経過
 自己免疫性膵炎における胆管病変の経過             長島 夏子,他
 自己免疫性膵炎の自然経過(再発と膵石形成)          川  茂幸,他

鑑別
 腫瘤形成性膵炎との関連および膵癌との鑑別           若林 時夫,他
 自己免疫性膵炎に合併する胆管病変と原発性硬化性胆管炎の鑑別  中沢 貴宏,他

治療
 自己免疫性膵炎におけるステロイド治療             伊藤 鉄英,他
 自己免疫性膵炎に対する胆道ドレナージ術            伊藤  啓,他

座談会“自己免疫性膵炎の新たな展開”         (司会)小泉  勝
                                大槻  眞
                                川  茂幸
                                神澤 輝実
                                平野 賢二
                                伊藤 鉄英
 

バックナンバーはこちら