今後の特集のご案内

「臨床精神医学」(47巻4号・2018年4月号)
特集/精神科臨床に必要とされる基本と応用─精神科専門医とサブスペシャルティ─

「臨床精神医学」(47巻5号・2018年5月特大号)
特集/精神科診療でみられる検査値異常の鑑別とその診療

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 47巻2号(2018年2月号) 特集/グローバリゼーションと臨床精神医学
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 200


編集後記

◇近年の著しいグローバリゼーションの波を受けて,わが国の精神科臨床の場においても,それらに伴う医学的諸問題が散見されるようになってきた。ジェットラグによる睡眠障害,多国籍企業におけるジョブストレス,国際結婚による異文化不適応,複数の母国を持つことによるアイデンティティークライシス等々,多文化間精神医学という枠組みを溢流して,日常診療の中で顕在化するとともに,潜在的問題として,深く根を降ろしつつある。
◇今回,「グローバリゼーションと臨床精神医学」の特集を編むにあたって,第一線で活躍する多くの専門家から玉稿をいただいた。この場を借りて,厚く御礼申し上げたい。グローバリゼーションに伴う精神医学的諸課題を論述することは,各分野の第一級のスペシャリストといえども,大変な労力であったに違いない。なぜならば,グローバリゼーションがもたらす社会基盤の変化とその混迷は,超長寿社会と第4次産業革命の到来と相まって,まるで水や空気のように,われわれの日常の隅々にまで影響を及ぼしているからである。
◇本編で取り上げた諸課題の背景には,単に医学的な問題のみならず,他文化や異質なものに対する無理解や不寛容など,21世紀のわれわれが超克すべき本質的で重要な問題が含蓄されている。さらにその裾野には,生育環境の多様化と学校教育問題,思春期における主体価値の形成や共感性の涵養,AI化に伴う職場環境の激変とその対応策,老年期に至るまで保持されるべき精神的柔軟性や学ぶ力など,多くの社会医学的課題が重畳している。本特集では,視座の高さを保ちつつ,多文化共生時代に精神医学が担うべき役割とその可能性について,読者とともに考えることができたならば,編者として望外の幸せである。 (Y.S.)

目次


共感性から読み解くグローバリゼーションと臨床精神医学 (京都大学)阪上  優・他…121
グローバル化する世界における物語と自己 (東京武蔵野病院)井上 隆志・他…129
グローバリゼーションと社会的ひきこもり
 ─ひきこもりは現代社会結合症候群か?─ (九州大学)加 藤 隆 弘…137
グローバリゼーションにおける依存症の治療実践
 ─日米英の3か国を中心とした治療の現状と発展─ (高嶺病院)田中 増郎・他…147
グローバリゼーションと自殺予防対策 (東京慈恵会医科大学)山内 貴史・他…155
ワーク・ライフ・シフトと産業精神保健 (京都大学)野田 実希・他…163
グローバリゼーションの負債
 ─貧困・高齢の都市生活者に見える風景─ (大阪府立大学)西 川   隆…169
グローバリゼーションと触法精神障害者 (京都大学)梁 瀬 ま や…177
グローバリゼーションと臨床睡眠医学 (大阪大学)足 立 浩 祥…185
21世紀の多文化間精神医学 (明治学院大学)阿部  裕・他…193
多文化共生時代のアンチスティグマと精神科臨床 (帝京大学溝口病院)張   賢 徳…201
❖研究報告
 緩徐不活性型電位依存性Sodium Channel Blockerラコサミド(LCM)95例の
  使用経験 藤本 礼尚・他…209

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