今後の特集のご案内

「臨床精神医学」(46巻12号・2017年12月号)
特集/日常診療における病識・病感・負担感の取り扱い〜治療効果を高めるための工夫〜

「臨床精神医学」(47巻1号・2018年1月号)
特集/精神科診療・研究に役立つ実践的倫理

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 46巻9号(2017年9月号) 特集/攻撃性の神経生物学と臨床
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 150


編集後記

最近の本誌は「こだわり」「ありふれた(ような)症例」「私を変えた症例」などを取り上げて特集を組んできた。これらの言葉は教科書や全書の章立てには馴染まない。「こだわり」は日常臨床でよく耳にする言葉であるが,今のところ精神医学事典の項目としては登場していない。特集テーマの選定はいつも編集委員が頭を悩ませるところである。狭く絞り過ぎると発展性や面白みがなくなり,広過ぎると拡散して焦点がぼやける。よく知られたテーマであれば手堅くまとめられるが,二番煎じで新鮮味がなくなる。精神医学の専門誌の「こだわり」をグルメの特集と思う人はいないにしても,新機軸を打ち出すことにはリスクが伴う。概念には内包と外延があるといわれるが,外延という広がり,裾野の部分をうまく取り入れると,特集に厚みがでる。外延といえば,攻撃性をテーマに編集を進めるうち,ミサイルとか核兵器とか,物騒がせなニュースが連日メディアに流れた。ずっと以前に読んだローレンツの著書をあらためて開くと,米ソ両国が核戦争の瀬戸際まで行ったキューバ危機を想い出し,動物行動学が社会背景と無関係ではなかったことを知り,目から鱗の思いであった。今回,多彩な領域からの専門家を迎えてユニークなコラボレーションが実現した。多忙な中,限られた時間で筆を執っていただいた方々に厚く感謝する。(Y.N.)

目次


特集のねらい (クボタクリニック)中 谷 陽 二…1053
攻撃性の脳内基盤T─研究の歴史的背景─ (理化学研究所脳科学総合研究センター)黒田 公美・他…1057
攻撃性の脳内基盤U─最近の基礎研究の動向─ (理化学研究所脳科学総合研究センター)篠塚 一貴・他…1067
過剰な攻撃行動の神経生物学─動物行動神経科学の視点から─ (筑波大学)高 橋 阿 貴…1077
霊長類学からみた攻撃性 (京都大学霊長類研究所)正 高 信 男…1083
脳損傷と攻撃性 (京都大学)上 田 敬 太…1089攻撃性とセロトニン・ドーパミン (北海道大学)吉 岡 充 弘…1095
性犯罪加害者の再犯防止─社会内治療の有効性と今後の課題─
(NPO法人性犯罪加害者の処遇制度を考える会,性障害専門医療センター(SOMEC))玉村あき子・他…1101
ドメスティックバイオレンス加害者の心理とこれに対する教育プログラム (筑波大学)森 田 展 彰…1117
子ども虐待と親の攻撃性 (山梨県立大学)西 澤   哲…1127
双極性障害と攻撃性 (大分大学)寺 尾   岳…1135
境界性パーソナリティ障害の攻撃性と治療 (長谷川メンタルヘルス研究所)遊 佐 安一郎…1141
てんかんと攻撃性 (田崎病院)松 浦 雅 人…1149
研究報告
 多機能型精神科診療所における統合失調症外来患者の10年間の予後調査 市毛  努・他…1159
 非定型抗精神病薬投与による統合失調症患者における体重変化の推移
  ─当院における入院患者を対象とした後方視的研究─ 煙草谷 ひかる・他…1167
 精神科における多職種チーム医療の質を測定する尺度の開発 冨澤 涼子・他…1175

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