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「臨床精神医学」(46巻7号・2017年7月号)
特集/てんかん診療における精神科医の役割

「臨床精神医学」(46巻8号・2017年8月号)
特集/精神障害とこだわり

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 45巻10号(2016年10月号) 特集/SNS時代の精神医学
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 150


編集後記

現代社会は,短い間に大きく変貌してしまった。目の前の人と会話せずに,スマートフォンでソーシャルネットワークの中にいる誰かと向き合う姿は,わずか25年前には予想すらできなかった。20年程前,ネット上でいじめにあってつらいと訴える患者さんに,アクセスしなければよいのでは,などと思い,結局力になれなかったことを苦々しく思い出す。サリバンは 「精神医学は対人関係論である」 と述べたが,現代の対人関係の変貌に,果たして精神医学は追いついているだろうか?本特集には,精神医学の教科書に書かれていない,新しい精神医学の課題が多く含まれている。炎上やネットいじめなどの社会現象については,書き込まれた側,書き込む側,両者の心理が扱われている。また,診察室を飛び出してサイバー空間に展開する認知行動療法,自殺予防などの新たな方向性が示されている。インターネットは,多くの新しい可能性を持つ一方で,ルールができる前に普及が進んだために,さまざまな問題もまた噴出している。言論空間におけるフリーライドというべき炎上の問題や,ソーシャルメディア上の医師の振る舞いによる問題などは,社会の仕組みやガイドラインの不備により起きている問題といえるかもしれない。本特集が,SNS時代に適応した精神医学の更なる進化の一助となることを祈っている。
(T.K.)

目次


ネットいじめ:展望と今後の課題 (中央大学)富 田 拓 郎…1217

炎上攻撃者の特性と対策 (慶應義塾大学)田 中 辰 雄…1225

SNS疲れ (立教大学)香 山 リ カ…1237

ネット依存 (国立病院機構久里浜医療センター)中山 秀紀・他…1243

炎上の精神病理 (昭和大学)岩 波   明…1249

インターネットを用いた自殺予防の課題─夜回り2.0における援助事例をもとに─ (和光大学)末木  新・他…1253

精神科医が注意すべきソーシャルメディアリテラシー (聖路加国際大学)中 山 和 弘…1259

スマートフォンを用いた気分のセンシング (東京大学)酒造 正樹・他…1269

コンピュータ認知行動療法の展開─インターネット支援型認知行動療法の可能性─ (慶應義塾大学)中尾 重嗣・他…1281

インターネット認知行動療法コミュニティ:「U2plus」について (U2plus編集長)東 藤 泰 宏…1287

当事者目線から行うウェブサイトでの精神科医療の見える化 (地域精神保健福祉機構・コンボ)宇田川   健…1295

シリーズ/日本の精神医学を築いた人々[第6部]
評伝 佐野 勇−精神神経医学に神経化学的光を当て,世界を股にかけた豪傑医学者− 佐野  輝…1303

研究報告
がん患者のうつ状態に対するエスシタロプラムの有効性および忍容性─非盲検非対照デザインによる予備的研究─ 市倉加奈子・他…1307

精神科一般外来における統合失調症患者の就学支援 武田 隆綱…1317

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