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「臨床精神医学」(46巻12号・2017年12月号)
特集/日常診療における病識・病感・負担感の取り扱い〜治療効果を高めるための工夫〜

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 45巻8号(2016年8月号) 特集/統合失調症はどこへ行くのか@
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 150


編集後記

精神疾患が5大疾病の1つに位置づけられた状況の中で,うつ病や認知症はポピュラーな病気として「市民権」を得た感がある。それに対し,統合失調症はまだまだ一般にはなじみの薄い疾患であろう。統合失調症はよくも悪くも「精神疾患中の精神疾患」であり,その問題を考えることはとりもなおさず精神医学を考えることであった。また,統合失調症の診断名をつけることは当事者・家族・社会にも大きなインパクトをもたらし,精神科医としての自負と責務を問うことにもなる。他科・身体科では扱うことが難しい疾患の代表であり,精神医学の独自性を示す牙城であるともいえる。さて,本号・次号の特集は「統合失調症はどこへ行くのか」である。精神医学研究において,上述のうつ病や認知症をはじめ,精神医学のカバーする領域が広がっているとはいえ,日本あるいは世界の統合失調症を専門とする研究者は少なくない。むしろ統合失調症研究は隆盛であるといってもいい。しかし,一部のアプローチを除けば,そこで盛んな研究は,統合失調症のゲノムや神経画像,バイオマーカー,神経薬理学,神経心理学など,いわゆる生物学的精神医学研究である。精神医学の王道である精神病理学的研究を専門とする研究者は全国の講座担当者の中ではほとんど絶滅危惧種であるといってもいい。このような状況の中で,本特集では統合失調症の精神病理学から最先端のバイオ研究までを通覧し,読者にも現在の統合失調症研究の方向性や問題意識を感じていただきたいと願っている。
(M.M. )

目次


現在の診断基準からみた統合失調症概念 (京都大学)三嶋  亮・他…985

当事者の視点からみた統合失調症 (群馬大学)福田 正人・他…993

了解概念からみた統合失調症の精神病症状 (東京都立松沢病院)針 間 博 彦…1001

神経心理学からみた陽性症状 (慶應義塾大学)前田 貴記・他…1009

統合失調症の陰性症状:症状の理解と治療法開発に向けた展開 (鳥取大学)兼 子 幸 一…1015

認知機能障害とそのリハビリテーション (国立精神・神経医療研究センター)池 澤   聰…1023

統合失調症の人の社会参加はどう向上していくだろうか (帝京大学)池 淵 恵 美…1033

統合失調症における早期介入 (東邦大学)山口 大樹・他…1041

統合失調症のオープンダイアローグ (筑波大学)斎 藤   環…1047

私論:統合失調症の概念−統合失調症は状況意味失認症である− (原病院)中 安 信 夫…1055

シリーズ/日本の精神医学を築いた人々[第6部]
評伝 大橋博司先生 濱中 淑彦…1071

紹介
聖地ルルドの医学検証所と患者受け入れ病院を訪ねて 森山 成 …1077

論説
精神鑑定のすすめ−精神科医の自己研鑽の場として− 田口 寿子…1085

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