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「臨床精神医学」(46巻12号・2017年12月号)
特集/日常診療における病識・病感・負担感の取り扱い〜治療効果を高めるための工夫〜

「臨床精神医学」(47巻1号・2018年1月号)
特集/精神科診療・研究に役立つ実践的倫理

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 45巻3号(2016年3月号) 特集/DSM-5の新機軸と課題A―今後の研究対象とされた病態―
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 150


編集後記

◇今回の特集は,DSM-5の第3部の「今後の研究のための病態」の章に含まれるさまざまな病態を紹介した。ここには,正式なDSM-5病名への登録の可否が議論され,結果的には登録が見送られた病態が並んでいる。DSM-5の中では付録のような扱いに見えないこともないが,ただ,賛否双方の活発な議論があったからこそこのような扱いとなっているわけであり,この特集で紹介されているのは,研究が最も活発に行われている病態群であるともいえる。精神医学研究のホット・トピックスの概要を知る,という観点からこの特集をお読みいただくのもよいかもしれない。

◇DSM-5への病名の採否の決定は,純粋な科学的プロセスのみによって決まるのではなく,さまざまな利害関心のせめぎ合いの中で決まっていく部分がある。そういう意味では,臨床医は,DSM-5の正式病名だけを熟知していればよいというわけにはいかない。実際,DSM-Wで「今後の研究のための病態」とされていた病態の多くが,結果的にはDSM-5で正式病名に格上げされている。「ハードルの低い第3部でまず幹部候補生としておいて,次の試験の時は,他の候補よりも有利な条件で,こっそり幹部(正式病名)に引き上げる」といったシナリオがどこかで描かれている,という見方はあながち間違いでもないだろう。精神科専門医は,「今後の研究のための病態」の章の諸病態を巡る社会的議論も注視しておく必要がある。

(M.T.)

目次


特集 “DSM-5の新機軸と課題A─今後の研究対象とされた病態─”

「今後の研究のための病態」の運命─DSM-VからDSM-Wまで─

   (水明会佐潟荘)北 村 秀 明…261

減弱精神病症候群 (富山大学)西山志満子・他…267

DSM-W-TRで大うつ病性障害と双極性障害の狭間にあった疾患概念は,

 DSM-5ではどのように位置づけられているのか?

   (東京女子医科大学東医療センター)山 田 和 男…277

持続性複雑死別障害 (自治医科大学)清水加奈子・他…285

カフェイン使用障害 (東京慈恵会医科大学)宮田 久嗣・他…293

インターネットゲーム障害 (久里浜医療センター)中山 秀紀・他…301

出生前のアルコール曝露 (札幌医科大学)木川 昌康・他…309

自殺行動障害 (札幌医科大学)白石 将毅・他…315

非自殺的な自傷行為 (国立精神・神経医療研究センター)松 本 俊 彦…319

DSM-5におけるパーソナリティ障害診断の代替モデルとICD-11への示唆

  (日本精神神経学会)松 本 ちひろ…327

❖シリーズ/日本の精神医学を築いた人々〔第6部〕

 不世出の精神医学者 白木 博次先生

  ─弱者へのまなざしをもつ神経病理学のVisionary─ 松下 正明…337

❖シリーズ/現代精神医学の視点・論点(第2シリーズ)

 精神科医としての引き出しを無限大に広げてくれる場所;公衆衛生大学院 本屋敷美奈…347

❖研究報告

 身体症状として表現された自殺者遺族の複雑性悲嘆

  ─「仮面複雑性悲嘆」の治療について─ 清水加奈子・他…349

 青年期広汎性発達障害患者に対する集団認知行動療法の

  就労支援効果に関する試み 内田亜由美・他…357

❖短報

 葉酸欠乏による精神病様状態と考えられた2症例 和氣 洋介…367

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