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「臨床精神医学」(46巻8号・2017年8月号)
特集/精神障害とこだわり

「臨床精神医学」(46巻9号・2017年9月号)
特集/攻撃性の神経生物学と臨床

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 45巻1号(2016年1月号) 特集/臨床現場から見た精神疾患の変貌
定価(\)本体 3,000+税 送料(\) 150


編集後記

◇それなりの年齢の精神科医が集まるたびに,「統合失調症は軽症化したよね」,「内因性のうつ病って最近は見かけないね」といった話になる。しかし,それが科学的事実なのかどうか,確証がない。年齢と共に働く現場が変化する場合も多く,個人的印象という面も否定できないが,単なる印象だけでもなさそうだ。

◇本特集では,このつかみどころのない問題に関して,多様な観点からご検討いただいた。その結果,スティグマの軽減や医療環境の改善で早期治療が可能になったこと,治療技術の進歩,時代背景など,さまざまな要因があぶり出された。パニック障害については,同一クリニックにおける14年の間隔を置いた2回の調査結果から,こうした要因について,データに基づいた議論がなされている。

◇さらに,特集意図は最近の「患者の」動向であったが,主に最近の「精神医学」の動向を分析された先生もおられ,図らずもこの問題が患者の存在と精神科医の認識の相互作用によることが浮き彫りにされた。

◇人工知能が人間を超えて進歩し,人類には予測不可能となる時点をシンギュラリティー(特異点)と呼ぶという。現代の精神医療現場は,ほんの四半世紀前から見ても,シンギュラリティーを超えた未来のように思える。今後,精神疾患の臨床現場にどのような変貌が生じていくのか。我々にできることは,予測不可能な未来に向けて,精神科医療を一歩一歩進めていくことだろう。 (K.T.)

目次


統合失調症は軽症化しているか (龍谷大学)須 賀 英 道… 5

「メランコリー型うつ病は減少しているか」 (九州大学)本 村 啓 介…13

自閉スペクトラム症は増えているのか (信州大学)篠山 大明・他…29

メディア用語としての“新型うつ病”のその後

  (一般社団法人日本うつ病センター,六番町メンタルクリニック)野 村 総一郎…37

最近の解離性同一性障害の動向  (東京女子大学)柴 山 雅 俊…43

最近の転換性障害の動向 (京都大学)岡 野 憲一郎…51

パニック症は軽症化しているか

  (医療法人和楽会パニック症研究センター)貝谷 久宣・他…57

双極性障害は過剰診断されているか (東京都済生会中央病院)仁 王 進太郎…63

最近の摂食障害の動向 (浜寺病院)切池 信夫・他…71

わが国における自殺とその動向 (近畿大学)丹羽  篤・他…77

発達の障害を有する者の犯罪と医療観察法

  (医療法人新新会多摩あおば病院)木 村 一 優…85

❖シリーズ/日本の精神医学を築いた人々〔第6部〕

 川沿いにあった高良興生院─“あるがままに”生きた高良武久の生涯─ 中山 和彦…93

❖シリーズ/現代精神医学の視点・論点(第2シリーズ)

 卒後研修においてエビデンス精神医学を学ぶメリット 伊井 俊貴…99

❖研究報告

 PTSD患者の難治性睡眠障害に対するchlorpromazine追加投与の効果

 ─主観的および客観的睡眠指標を用いた評価─ 土生川光成・他…101

❖論説

 光トポグラフィーによる精神疾患鑑別診断─有効性の検討─ 宮内  哲・他…111

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