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 44巻10号(2015年10月号) 特集/精神神経疾患のゲノム研究:失われた遺伝率の謎を求めて
定価(\)本体 2,900+税 送料(\) 150


編集後記

◇ゲノム研究の進歩は目覚ましく,その方法論も日進月歩で新たな方法が生み出されている。数多くの遺伝性疾患ではその原因遺伝子が明らかにされ,疾患の本態に迫る診断マーカーや治療法が研究されている。

◇一方,精神疾患の大半は,多遺伝子・多因子疾患であることがわかってきた。しかし,双生児法で算出される遺伝率が高い双極性障害,統合失調症ですら,複数の遺伝子が関与し,しかも全体の遺伝子寄与率がはるかに下回る,いわゆる“失われた遺伝率”問題に直面している。この問題は解決されるのか,傍らで見ていても気になって仕方がない。

◇遺伝率の高さなどから,かつて精神疾患の原因は,「遺伝」であり,すなわちこれが「内因」であると考えられてきた。遺伝が分子生物学のレベルで解き明かされ,この考え方がもはや正しくないことははっきりしたのであるが,内因というとき,いまだに,遺伝子と相互作用する,原因としての環境を忘れて議論してはいないだろうか。

◇企画にあたっては,原因解明が上手く進んでいる神経疾患の領域から精神疾患の研究へと視線を移し,精神神経疾患の全体像が見えるように考えた。精神疾患の遺伝子研究も神経疾患のように成功するのか,精神疾患と神経疾患の間に本質的な違いはあるのかなど,その最前線で進んでいる研究に触れながら,考えていただきたいと思った。 (S.K.)

目次


最近の精神神経疾患のゲノム研究 (東京大学医学部附属病院)辻   省 次…1317

行動遺伝学の基本原則 (慶應義塾大学)安藤寿康…1325

神経疾患の原因解明にみる成功が精神疾患では起こっているのかいないのか

  (長崎大学病院)黒滝 直弘・他…1333

自閉スペクトラム症のゲノム研究と今後の展望 (名古屋大学)有岡 祐子・他…1341

統合失調症感受性遺伝子の探索 (藤田保健衛生大学)近藤 健治・他…1349

新たなパラダイムを用いた気分障害のゲノム研究

  (理化学研究所脳科学総合研究センター)的場 奈々・他…1355

不安症でわかったこと (東京大学)杉本美穂子・他…1365

アルコール使用障害の遺伝研究 (国立病院機構久里浜医療センター)木 村   充…1377

アルツハイマー病におけるゲノミクスでわかったこと

  (東京慈恵会医科大学)永田 智行・他…1385

前頭側頭葉変性症と遺伝子変異 (名古屋大学)中村 亮一・他…1393

睡眠の遺伝学─ナルコレプシーの感受性遺伝子─ (東京大学)宮 川   卓…1403

❖シリーズ/現代精神医学の視点・論点(第2シリーズ)

 出会いと学び 佐 藤 創一郎…1409

❖研究報告

 睡眠関連摂食障害患者の心理的特性 山田 威仁・他…1411

❖論説

 精神医学と産業保健からみたリワークの活用─医療機関のリワークプログラムを中心に─

   副 田 秀 二…1421

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