今後の特集のご案内

「臨床精神医学」(46巻6号・2017年6月号)
特集/精神病理学の新課題―スペクトラムと臨床診断単位の認識論・存在論

「臨床精神医学」(46巻7号・2017年7月号)
特集/てんかん診療における精神科医の役割

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 43巻2号(2014年2月号) 特集/古典的精神病理学から継承すべきこと ─ヤスパース,シュナイダーに学ぶ
定価(\)本体 2,900+税 送料(\) 150


編集後記

◇あの頃,ヤスパース,シュナイダーは「古典」というより,ばりばりの「現役」だったなあ……と,ふと自分が精神科医になったころを振り返って思った。あれから40年か。
◇精神病理学もその学派は多彩である。しかしやはり,その不動の中心はヤスパース,シュナイダーではないだろうか。古典精神病理学は物理学でいえばニュートン力学に匹敵する。時代が変わり,諸学が進歩しても,精神医学はこれなしでは成り立たない,というのが実感である。
◇「米国DSMはM社のWin……みたいなもの」とは,わが同僚O氏の名言。世界を制するかどうか,それは品質を反映しない。だがいったん広まってしまったものは,嫌でも使わざるをないから使っているだけかも。
◇精神病理学にこそ新たな期待を。テーマは「認識論的二元論」と現代神経科学の「存在論的一元論」の通底だ。やはり「新しい精神の科学」が必要だ。言ってみれば,「精神医学」も「ニュートン力学」から「一般相対性理論」へ。
◇本企画の原案は約10年前に,編集委員会に提出したものである。その時のタイトルはなんと「精神医学の復興を求めて―四半世紀の総括と提言」だった。今振り返ると,タイトルが大袈裟過ぎてちょっと恥ずかしい。だが,本特集でやっとあの頃からの志が実現できた気がしている。
◇本特集は中安・古茶両先生のご助言・ご協力で実現できたものです。この欄を借りて御礼・感謝申し上げます。     (R.T)

目次


「古典精神病理学」は「新しい精神の科学」でどう継承されるか
  (埼玉医科大学)豊嶋良一…121
『精神病理学総論』(Kヤスパース)の今日的意義 (自治医科大学)加藤 敏…131
Schneider Kの「臨床精神病理学」の現代的意義 (東京都立松沢病院)針間博彦…145
伝統的精神医学からみた診断学と精神疾患分類 (慶應義塾大学)古茶大樹…153
「診立て」とは成因を考慮した病名の暫定的付与であり,それは終わりのない
 動的なプロセスである─山本周五郎著『赤ひげ診療譚』を取り上げて─
  (原病院)中安信夫…159
精神医学における「理念型」の意義 (東京女子医科大学)古城慶子…171
病的過程か人格発展か─Jaspersによる妄想の経過論─
  (虎の門病院分院)熊ア  努・他…179
精神医学において「疾患単位」は到達可能な目標か (桜ヶ丘記念病院)久江洋企…187
精神病理の階層原則と操作的診断 (東京都立松沢病院)福島 貴子・他…195
Kurt Schneiderの「基底(地下)Untergrund」について
  (もみじヶ丘病院)岡   一太郎…201
英語で読むヤスパース─英語圏精神医学における『精神病理学総論』の位置づけ─
  (虎の門病院)玉田  有・他…207
Karl Jaspersの「方法論的自覚」とNassir Ghaemiのバイオサイコソーシャル・モデル批判
  (京都大学)村井俊哉…217
シュナイダー「精神病質人格」から何を学ぶか (筑波大学名誉教授)中谷陽二…223
❖シリーズ 現代精神医学の視点・論点〘リレーエッセイ(第1シリーズ)〙
 東京女子医科大学附属女性生涯健康センター10年の節目に 加茂登志子…229
❖講演紹介 第11回福岡精神医学研究会 牛島定信氏特別講演
 私の生きた時代の精神医学 牛島 定信…233
❖研究報告
 一般市民における抑うつ傾向─自殺予防対策としてのうつスクリーニング事業から─
   大澤茉梨恵・他…249
 成人の精神科臨床における広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度(PARS)と
  自閉性スペクトル指数日本版(AQ-J)の有用性 末廣 佑子・他…259

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