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特集/日常診療における病識・病感・負担感の取り扱い〜治療効果を高めるための工夫〜

「臨床精神医学」(47巻1号・2018年1月号)
特集/精神科診療・研究に役立つ実践的倫理

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 42巻10号(2013年10月号公募論文特大号) 特集/職場のメンタルヘルス問題と精神医学
定価(\)本体 4,600+税 送料(\) 200


編集後記

◇近年,「うつ」として休職しているのにうつ病に見えないという,通称 “新型うつ” 問題についてのメディア報道が世間を賑わせている。当初は,センセーショナルな取り上げ方に問題があると思っていたが,次第にこの問題は,最近の若者の精神病理学的特徴,診断書の書き方や職場と精神科の連携,診断の問題,検査法がないことなど,精神医学に内在する多くの問題をあぶり出しているように思えてきた。
◇元来,精神疾患は社会行動の異常として捉えられていたが,精神医学の基本は面接であり,基本的には個人の内界を取り扱う。そして,精神科診断においては,本人との一対一の面接で診断をつけ,休職,復職などの社会的な判断を下すことも多い。
◇一方,患者に対する休職,復職などの対応は,職場にとっては,プロジェクト全体の見直しが必要になるほどの大きなイベントである。この診察室での一対一の対応と,職場に与える多大な影響の間には,大きなギャップがある。
◇診察室での精神科診療は,そのケースへの対応の中ではごく一部のはずであるが,それだけがケースへの対応の中心になってしまうと,矛盾がでてくる。
◇今回のタイトル,「職場のメンタルヘルス問題と精神医学」 は,臨床精神医学の雑誌としては,どこか距離を置いたように感じられるかもしれない。これは,こうした問題を精神医学だけで解決しようとするから限界があるのであって,精神医学の役割はどこまでか,という視点も含めて,議論した方がよいのではないか,と考えてのことである。
◇本特集が,精神科医として,職場のメンタルヘルス問題にどう関わっていくべきかを考える道標となることを願っている。 (T.K.)

目次


❖座談会 「職場のメンタルヘルス問題と精神医学」
  大久保 善朗 (司会)・加藤 忠史・塚本 浩二・五十嵐 良雄・横山 太範…1177
❖公募論文
〈職場のメンタルヘルス〉
 メンタルヘルス健診の問題点について―鹿児島県における労働者のメンタルヘルスの
  取り組みを通して (鹿児島大学) 楠本  朗・他…1193
 卒後臨床研修期間中のバーンアウトや抑うつに関連する研修医の性格傾向についての
  前方視的研究(第一報) (宮崎大学) 三好 良英・他…1201
 総合病院におけるメンタルヘルス支援の実践 (西神戸医療センター) 川添 文子・他…1209
 集中内観による職業性ストレスの変化 (富山大学) 古市 厚志・他…1215
 職域メンタルヘルス活動に精神科医が関わる意義 (北里大学) 鎌田 直樹・他…1225
 職場不適応事例に対する治療的アプローチ (鹿児島大学) 楠本  朗・他…1231
 勤労者におけるうつ病早期の疾病性と事例性についての検討 (大阪市立大学) 小 林 由 実…1241
 うつ病休職者の職場復帰時の主治医と職場の連携の必要性 (東北大学) 鈴 木 淳 平…1251
 精神科主治医と産業医・衛生担当者との連携をめざして (岐阜大学) 植 木 啓 文…1259
〈リワークプログラム・就労支援〉
 リワークプログラムから見た職場のメンタルヘルス (メディカルケア虎ノ門) 五十嵐 良 雄…1265
 精神的健康の向上に加え社会的負担の軽減も目指した,職場復帰支援の取り組み
  −KEAP(KEIO Employee Assistance Program)プロジェクト−
    (慶應義塾大学) 白波瀬丈一郎・他…1273
 うつ病・うつ状態で休職した労働者の社会復帰状況の評価指標
  ―社会適応能力評価尺度(SASS)の有用性について―
    (さっぽろ駅前クリニック) 相方謙一郎・他…1281
 女性休職者に特化した復職支援プログラムの試み (あいクリニック神田) 西松 能子・他…1289
 気分障害と不安障害のリカバリープログラム (さくら・ら心療内科) 加藤 和子・他…1299
 矯正施設の知的障害者に対する就労支援と問題点 (愛知医科大学) 加藤 悦史・他…1309
 自閉症スペクトラム障害をもつ人の職場における支援 (一橋大学保健センター) 丸 田 伯 子…1321

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