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「臨床精神医学」(46巻12号・2017年12月号)
特集/日常診療における病識・病感・負担感の取り扱い〜治療効果を高めるための工夫〜

「臨床精神医学」(47巻1号・2018年1月号)
特集/精神科診療・研究に役立つ実践的倫理

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 42巻8号(2013年8月号) 特集/うつ病の亜型分類への展望─その2─
定価(\)本体 2,800+税 送料(\) 150


編集後記

◇「うつ病の亜型分類への展望」の特集は,当初,1月分として企画されたが,すぐにとうてい1回ではおさまり切らない問題であることがわかり,2回に分けての特集となった。うつ病による社会負担は,がん全体に匹敵するとの推計もある程であり,うつ病の問題がそれ程広大なものであることは当然であろう。
◇さて,前回は症状レベルの問題を多く取り上げたが,今回は生物学的な分類へと一歩近づく内容となっている。DSM-5への改訂では,結局ほとんどバイオマーカーは導入されなかったが,今後のうつ病医療を考える上では,バイオマーカーの導入は必然である。本特集の神経内分泌学的指標やMRIの項を読むと,バイオマーカーの導入は決して遠い未来の夢ではないことが実感される。
◇また,甲状腺機能障害やクッシング症候群によるうつ状態という,「一般身体疾患によるうつ病」の代表ともいえる疾患でさえ,逆にうつ病がこれらの内分泌疾患を悪化させている側面もあるのでは,との指摘には,新たな視点が開ける思いである。
◇また,基礎神経科学の領域では,近年,うつ病に関する論文がNature,Scienceといった主要誌をにぎわせているが,実は,うつ病診療の現実と比べると,うつ病の動物モデル研究は,いまだうつ病の現実からは遠く,あまりにも未発達であることも示されている。
◇2回にわたったこの特集が,うつ病の生物学的な基盤に基づいた亜型分類への前奏曲となることを願っている。 (T.K.)

目次


脳器質性疾患によるうつ状態の特徴と対応 (熊本大学)藤瀬  昇,他 … 945
 血管性うつ病はなぜDSM-5に採択されなかったのか (広島大学)山下 英尚,他 … 951
 認知症の前駆状態としてのうつ病の鑑別と対応 (順天堂大学)馬 場   元 … 961
 うつ病―神経病理の立場から (東京都健康長寿医療センター)村山 繁雄,他 … 969
 内分泌代謝疾患に伴ううつ状態 (茨木市保健医療センター)深尾 篤嗣,他 … 975
 現代型うつ病をめぐる議論の行方 (晴和病院)松浪 克文,他 … 983
 うつ病のバイオマーカーと亜型−特に視床下部-下垂体-副腎系機能との関連について−
   (国立精神・神経医療研究センター)功刀  浩,他 … 991
 うつ病の亜型とMRI (南斗クリニック)仁井田りち,他 … 999
 うつ病の動物モデルの多様性と最近の研究の進歩
   (北海道大学)大村  優,他 … 1009
 治療薬による気分障害−インターフェロンを中心として−
   (東京厚生年金病院)大 坪 天 平 … 1019
 アルコール性気分障害の臨床 (札幌医科大学)石井 貴男,他 … 1027
❖シリーズ 日本の精神医学を築いた人々〔第4部〕
 中 脩三 −日本の神経化学の創始者− 川 北 幸 男 … 1035
❖研究報告
 アルツハイマー病におけるMMSEの年次変化率
  −物忘れ外来における在宅療養患者の1年目年次変化率の再検討−
    大島  渡,他 … 1041
 PTSD既往歴者の長期経過後におけるPTSD症状の発現率特性
  −長崎市の原爆被爆体験者のPTSD有病率調査を通して− 太田 保之,他 … 1049

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