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 42巻6号(2013年6月号) 特集/慢性疼痛への精神科的アプローチ
定価(\)本体 2,800+税 送料(\) 150


編集後記

◇明らかな器質的な病変の認められない慢性疼痛をもつ患者が,精神科外来にはしばしば紹介されてくる。だが,なかなか治療はうまくいかず,しだいに苦手意識が強まり,それこそ専門家に紹介したくなることが少なくない。慢性疼痛の治療は,本当に一般精神科医の守備範囲を超えたものなのだろうか。本特集のねらいは,慢性疼痛は,うつ病や不安障害などと同様に,一般精神科医が日常臨床の中で診ていくことができるものではないのだろうか,というところにある。
◇慢性疼痛はそもそも紹介されて来る前に,「身体を調べてもどこも悪くないから,精神的なものかもしれない」などと説明されていることが多い。しかし,この「精神的なもの」「ストレスが原因」という言葉は,患者にとっては「気のせい」「精神的な弱さ」「わがまま」などと理解され,「ホンモノの痛みではなく,ニセモノの痛みである」と言われたように感じていることが多い。そのため,精神科に受診した時点で,既に,患者は不機嫌であったり,協力的でなかったりする。だから,治療は「痛みはホンモノである」ことを認めることから始まるのである。
◇本特集は,慢性疼痛について,基礎から臨床まで,精神医学的アプローチから身体医学的アプローチまで,幅広く,その領域の第一線で活躍されている先生方に最新の知識を紹介していただき,改めてその治療について考えようとした。ご多忙の折,ご執筆いただいた先生方に改めてお礼申し上げる。本書が,日常臨床で慢性疼痛に対する苦手意識を改善し,診療に役立つことを心より願っている。   (A.S.)

目次


慢性疼痛に関わる精神科 (川崎医科大学)山 田 了 士 709
痛みによる負情動生成の神経機構 (北海道大学)南   雅 文 715
ペインクリニック臨床の実際 (岡山大学)溝 渕 知 司 725
慢性疼痛のリハビリテーション (日本福祉大学)松 原 貴 子 733
慢性疼痛に対する心理的評価と認知行動療法 (東京大学)笠 原   諭 739
慢性疼痛と疼痛性障害の「ペイシャント・エンパワーメント」
  (埼玉医科大学)堀 川 直 史 749
慢性疼痛の薬物療法(向精神薬の役割) (東京女子医科大学)西 村 勝 治 757
慢性疼痛における精神科的並存症の治療 (川崎医科大学)村 上 伸 治 765
線維筋痛症の概念と治療 (聖マリアンナ医科大学)長田 賢一,他 773
がん疼痛への精神科的アプローチ (自治医科大学)岡 島 美 朗 779

❖日本の精神医学を築いた人々〔第4部〕
 三浦百重 −精神科医らしからぬ管理力と教育力を備えた大教授−
   笠 原   嘉 785
❖研究報告
日本版青年・成人感覚プロフィールの標準化 ─信頼性および標準値の検討─
  (大阪大学)梅田亜沙子,他 789
自殺リスク評価から見たSDSとSCTの関連性
 ―SDS_Q19とSCT刺激語「自殺」「死」に着目して―
  (帝京大学)有木 永子,他 797

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