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「臨床精神医学」(46巻10号・2017年10月号)
特集/成人の注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断と治療

「臨床精神医学」(46巻11号・2017年11月公募論文特大号)
特集/超高齢化社会の精神科診療

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 40巻8号(2011年8月号) 特集/内因性は,今
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇最近ある法律関係の学会で発表する機会があり,フロアから質問を受けた。1つは 「内因性精神病ということばはなぜ使われなくなったのか」,もう1つは 「現在の精神医学はDSM-Wで統一されているのか」 である。こう直截に尋ねられると返答に窮する。われわれ自身がうやむやにしているからである。この経験が本特集を思い立ったきっかけである。

◇この2, 30年の精神医学の急な様変わりは,どこまでが進歩で,どこからが忘却なのか。1980年のDSM-Vの登場に必然性あるいはポジティブな面があったことを否定はしない。しかしそれによって失われたものも確実に存在する。精神医学の知に対して,プラスアルファでもあればマイナスベータでもある。

◇筆者が駆け出しの頃,回診や集談会で 「この症例は内因性か,外因性か,はたまた心因性か」 といった議論を延々と続けることが珍しくなかった。必ずしもクリアな結論には到達しなかったが,議論自体から得るところが多かったように記憶する。そこではKretschmerの敏感関係妄想,Hoch & Polatinのpseudoneurotic schizophrenia,飲酒者の嫉妬妄想といった 「因」 の境界が問題になる病態がよく話題に上った。

◇かつて 「うつ病」 に冠せられることばは,まず内因性,反応性,神経症性であった。こうした概念にどこまで根拠があるかは別として,説明には馴染みやすかった。DSM-WやICD-10ではどうだろうか。学生に講義する場合,気分障害の分類を使いにくいと感じる人は多いのではないか。これも 「因」 を問うゆえんである。(N.Y.)

目次


ドイツ語圏の精神病理学における内因性(東京女子医科大学)古 城 慶 子…1013

意識下・自動的認知機構における状況意味認知の可逆的易傷性―病態心理レベルでみた統合失調症の内因―(原会原病院)中 安 信 夫…1021

うつ病と内因性(自治医科大学)阿 部 隆 明…1033

非定型精神病と内因性(豊郷臨床精神医学研究所)林   拓 二…1043

器質性・外因性精神疾患からみた内因性(愛知医科大学)兼本 浩祐・他…1053

神経症性疾患からみた内因性(名古屋大学)津 田   均…1061

妄想性疾患からみた内因性(愛知淑徳大学)高 橋 俊 彦…1071

思春期・青年期の精神病理における内因性−緩やかな強度をめぐって−(杏林大学)田中伸一郎・他…1077

生物学的精神医学からみた内因性(富山大学)倉 知 正 佳…1089

内因性概念と司法精神医学(多摩あおば病院)中 島   直…1097

内因性概念は復権するか(慶應義塾大学)古茶 大樹・他…1105

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