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 40巻7号(2011年7月号) 特集/双極性障害における薬物療法の今日的課題
定価(\)本体 2,750+税 送料(\) 150


編集後記

◇気分障害の臨床における最近の重要な進展は双極性障害の概念の拡大である。これまで大うつ病性障害と診断されていた多くの患者が,実は双極性障害,特に双極U型障害や双極スペクトラムに含まれる状態であると認識されるようになったことである。

◇双極性障害の予後は,当初考えられていたほど良好でないことはすでに共通の臨床知となっている。うつ病相の遷延化,病相不安定化,混合状態の挿間,軽躁ないし躁病相への転換の増加に加え,認知機能障害を含んだ社会生活機能の低下に至る場合も少なくない。社会・家族関係の破綻やアルコール依存の併発,さらには自殺傾向を増加させる。いまだ認識されていない双極性障害に対して不用意な抗うつ薬の使用は,上述した傾向をさらに悪化させる。

◇双極性障害の薬物療法として,従来の古典的気分安定薬(炭酸リチウム,バルプロ酸,カルバマゼピン)に加えて,海外では,最近,新規の双極性障害治療薬の開発が盛んである。わが国でも,ラモトリギンの導入や非定型抗精神病薬(リスペリドン,オランザピン,セロクエル,アリピプラゾール)の適応拡大が進行しつつある。双極性障害の薬物療法の進展に大きな期待が寄せられている。

◇本特集では,執筆者に各テーマにつき,このうえない優れた総説をまとめていただきました。今後の双極性障害の治療・転帰の向上に資する極めて有用な手引きとして活用されることを確信します。(K.T.)

目次


双極性障害の長期予後(慶應義塾大学)仁 王 進太郎…899

双極性障害と物質使用障害(札幌医科大学)橋本 恵理・他…907

双極性障害と自殺(財団法人復康会沼津中央病院)須田  顕・他…915

双極性うつ病と抗うつ薬(青森県立つくしが丘病院)鈴木 克治・他…921

双極性障害と気分安定薬(昭和大学藤が丘病院)尾 鷲 登志美…931

双極性障害の新しい治療薬:海外知見を中心として

 1)ラモトリギン(大分大学)後藤慎二郎・他…941

 2)非定型抗精神病薬の双極性障害への臨床的適応(関西医科大学)片上 哲也・他…949

 3)プラミペキソール(北海道大学)田中 輝明・他…961

❖研究報告

 アルコール依存症のイメージ─共依存的傾向との関連─

 中藤 麻紀・他…971

 Lamotrigineの双極T型障害に対する臨床評価─長期投与試験─

 小山  司・他…981

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